Sustty編集部がお届けするSDGs情報です。
参考になることはないかな?
こんな疑問に答えます。
この記事を書く私は、サステナブルに興味がある研究開発者です。アメリカやヨーロッパの方と仕事をする機会もありますが、異なる背景や文化そして考え方から、なるほどと思ったり、それはどうだろうと思う事が多々あります。
今回はSDGs世界ランキング第1位のフィンランドに関して、その特徴と取り組みを紹介していきます。世界のSDGs先進国はどのような事をしているのか知ることで、私たちの生活に生かせることもあるかも知れません。
いきなりですが、2021年におけるSDGsの世界ランキングトップ5は以下の通りです。
✔︎SDGsの世界ランキングトップ5(2021年時)
1位:フィンランド(85.9ポイント)
2位: スウェーデン(85.6ポイント)
3位: デンマーク(84.9ポイント)
4位: ドイツ(82.5ポイント)
5位: ベルギー(82.2ポイント)
上位2~5位に関してはこちらの記事で紹介していますので、のぞいてみてください。
関連記事:【最新】SDGs世界ランキングトップ5と参考になるサステナブルな取り組み内容
本記事では、SDGsランキング第1位のフィンランドに関して、その概要と取り組み内容を見ていきたいと思います。SDGsの目標達成に向けて一人一人ができることを知り、今日からの取り組みに繋げてもらえたら嬉しいです。
目次
フィンランドのSDGsの取り組みに注目する理由
フィンランドのSDGsの取り組みに注目する理由は「SDGsの世界ランキング」で第一位であり、とても優秀なサステナブル活動を実践できているからです。まずSDGsの内容に関しておさらいしておきます。
SDGsとは?
SDGsとは、「Sustainable Development Goals(持続可能な開発目標)」の略で、2030年までに持続可能でよりよい世界を目指す国際目標です。17のゴールに分かれていて偏りなく「持続性」を推進できるように作れています。
またSDGsは、17のゴールを達成するために細かく決められてた169のターゲットからも構成されています。
詳細については次の記事で紹介します。
関連記事:【完全ガイド】SDGsとは?初心者のための分かりやすい網羅書
SDGsランキングとは?その概要と評価する項目
ドイツ最大財団のベルテルスマン財団と持続可能な開発ソリューション・ネットワーク(SDSN)は、2016年から年に一度SDGs達成状況を分析したレポート「Sustainable Development Report」を発行しています。SDGsの進捗状況に関して総合的な評価が行われ、各SDGs項目が何%進捗しているか示されています。また、前回からの変化や目標達成に向けて進捗が順調かどうかも評価されています。
評価シートの一例として日本のスコアは以下のようになります。ここで、緑はSDGsのターゲットを達成済み、黄色が課題が残る状況、オレンジが多くの課題が残る状況、赤が後退している状況を意味しています。日本では、教育(SDGs9)、産業と技術(SDGs9)、平和と公平性(SDGs16)が進んでると評価されていることが分かります。一方で、ジェンダー平等(SDGs5)、気候変動(SDGs13)、海の豊かさ(SDGs14)、陸の豊かさ(SDGs15)、そしてパートナーシップ(SDGs17)に特に課題があります。
参考:Sustainable Development Report
日本のSDGsスコアに関しては下記の記事で詳細を取り上げていますので、良かったらご覧ください。
では、次の章で世界ランキングでトップであるフィンランドの特徴や取り組みを見ていきましょう。
ランキング1位フィンランドのSDGsの取り組み
第1位フィンランドのSDGs概要
2021年にSDGsランキング第1位に見事輝いたのは、北欧の国フィンランドです。ムーミンの故郷としても知られています。正式名は「フィンランド共和国」で日本と同様に四季があり、国土の70%が森で覆われています。また、福祉国家としても知られ、「世界一幸せな国」といわれ国連が調査した幸福度調査では2年連続で1位をキープしています。その仕組みを支える税は比較的高く、消費税は通常24%になっています。
フィンランドはSDGsに対しても積極的に取り組んでいることから世界中から注目を浴びています。また、環境先進国、そしてイノベーションの発信地としても知られています。
SDGs評価パネルを見てみるとまんべんなくSDGsの取り組みがなされていることが伺えます。
では、フィンランドにおける具体的な取り組みを見ていきましょう。
【取り組み1】積極的なリディ―スとリサイクルーPanttiー
フィンランドは、国連が行った122カ国中の水質調査で1位となり、世界で最も水質の良い国と言われています。欧州の中では珍しく水道からの水が直接飲めます。そのため、廃棄物削減のために水は買わずにマイボトルを持参することが社会の中で推奨されています。こうしたエコな取り組みの楽しさも追求するため、スタイリッシュなマイボトルを製造・販売するベンチャー企業も生まれてきています。
例えば、 フィンランドのメーカーVESI はデザイン性に優れてかつ機能性も備えたウォータボトルや持ち帰り用マグなどを展開しています。
参考:VESI
また、フィンランドはボトルのリサイクルが最も進んでいる国の一つとしても知られており、街には空き瓶や空き缶、空きペットボトルが落ちていないといわれています。これはPalpaというデポジット(預金)のシステムによるものが大きいようです。
このシステムでは、ビールやジュース、水などの飲料が入っていた空き瓶や空き缶、ペットボトルをスーパーマーケットなどに設置してある専用回収機に投入すると、1本につき10〜30セントの金券が発行されます。金券はスーパーマーケットや系列店で金券として使えたり、レジに行って現金に換金してもらえたりします。
参考:PALPA
フィンランドではその他にも廃棄物を減らそうとする取り組みが盛んになされています。
例えば首都ヘルシンキには廃棄物をゼロにしようとしているNollaというレストランがあります。実際に運営で出るゴミを限りなくすことを実践しており、厨房にゴミ箱は置かず、調理中に出たゴミとなるものはすべてコンポストするといった活動をしています。加えて、25以上の地方の生産者と提携して、ゲストに出す食事のほとんどを地元食材でまかなっています。廃棄物ゼロを普通のことだとする挑戦が続いています。
参考:NOLLA
【取り組み2】サステナブル・ツーリズムの実践ーThink Sustainablyー
フィンランドではサステナブルな観光にも力を入れています。首都ヘルシンキが立ち上げたウェブページ「Think Sustainably」では、観光客や市民向けにサステイナブルな取り組みを実施しているレストラン、ショッピング、宿泊施設などの情報を見ることができます。
レストランやショッピングなどそれぞれのカテゴリーには10から20のサステイナブル活動に関連した評価項目があり、持続可能性に貢献している度合いがそれぞれのお店に表示されています。「Think Sustainably」に紹介されるには少なくとも10の基準を満たす必要があります。
【取り組み3】SDGsスタートアップを生み出すーVTTー
最後紹介するのは、SDGsのスタートアップを生む仕組みとしてフィンランド政府が直営する研究所(フィンランド技術研究センター、VTT)です。2020年時点で約1500人の研究者を抱える北欧最大の研究所であり、国営企業(有限責任会社)でもあります。一本化された組織のもとに、人材交流や積極的な投資を通して、科学の最先端で起こっていることを企業のサービスや製品開発の現場で使えるようにしています。
例えば、VTTに所属していた研究者らが立ち上げたスタートアップ「スピノバ(SPINNOVA)」は、木材パルプや農業廃棄物である藁(わら)などの天然素材からセルロース繊維を精製する技術を開発しています。2021年6月には、スポーツ用品大手・アディダスから約4億円を資金調達したと発表しています。
参考:SPINNOVA
このような新しい技術やサービスを創出することでサステナビリティを促す仕組みも進んでいるのが、フィンランドの特徴だといえます。
フィンランドのSDGsの取り組みからの参考ポイント
フィンランドの取り組みを通して参考になるポイントを挙げておきます。
- 楽しくリディ―スとリサイクルを実践できる商品や仕組みはないか?
- ウォーターボトルや持ち帰り用のバックやマグは何かないか?
- 住んでいる地域や地元でSDGsに貢献しているポイントはないか?
- SDGsに貢献している企業やサービスを発信する場所はないか?
- SDGsやサステナブルの未来を面白そうな技術はなにか?支援する方法はないか?
まとめ:フィンランドのSDGsの取り組みを参考にしてアクションを始めよう!
本記事は「【最新】SDGsランキング第1位のフィンランドの取り組みとサステナブルな取り組みへのヒント」について紹介しました。
改めて、フィンランドのSDGsの取り組み・ポイントをまとめます。
✔︎フィンランドのSDGsの取り組み
・能動的なリディ―スとリサイクルーPanttiー
・サステナブル・ツーリズムの実践ーThink Sustainablyー
・SDGsスタートアップを生み出すーVTTー
✔︎フィンランドのSDGs取り組みポイント
- 楽しくリディ―スとリサイクルを実践できる商品や仕組みはないか?
- ウォーターボトルや持ち帰り用のバックやマグは何かないか?
- 住んでいる地域や地元でSDGsに貢献しているポイントはないか?
- SDGsに貢献している企業やサービスを発信する場所はないか?
- SDGsやサステナブルの未来を面白そうな技術はなにか?支援する方法はないか?
上記のポイントを踏まえて、もう一度のフィンランドの概要や取り組みを見てみると、なるほどと参考になったり、さらに興味をもったりする取り組みもあったかもしれません。
まずは自分の興味があることから、最初の一歩を踏み出してみることが大切です。
SDGsを知り、共有することでSDGsの達成が近づきます
本記事では「世界で最もSDGsが進んでいる国」の事例を紹介しました。
先進的な取り組むを知ることで、自国のSDGsを強化することができるようになりますが、実はこの「知る」こと自体もSDGs に関連してきます。
。SDGsは世界的な取り組みのため、1人が取り組むだけでなく、周りを巻き込みながら、良いモノを取り入れて、進んでいない部分を強化していくことが大切です。
進んだSDGsの取り組みを幅広く知り、自分の生活をもっとサステナブルに変えていけたら嬉しいですね。
関連記事:SDGs17とは?繋がりの問題と「パートナーシップで目標を達成しよう」のための目標
SDGs達成に向けて私たちにできること
このほか、SDGsに特化したSNS「Sustty」では、様々なSDGsアクションの具体例を紹介しています。
1人1人の影響は小さいかもしれませんが、みんなが取り組むと「チリも積もれば山となる」で、大きな影響になります。
ぜひこれらの活動を参考に、世界を持続可能にしていきましょう!
また、Sustty-noteのサイトでは、SDGsに関わる様々な情報を掲載しています。宜しければぜひご参考にしてください。