Sustty編集部がお届けするSDGs情報です。
こんな疑問に答えます。
この記事を書く私は、サステナブルに興味がある研究開発者です。地球の持続可能性を高めるためにさまざまな視点で活動を行い、次世代のモノづくりやソリューションを作っています。
地球の気候変動を抑えるためにアイディアを考える一方で、自分自身の温暖化への影響も抑えたいと思う今日この頃です。
今回は、私達一人ひとりがどの程度温室効果ガスを排出しているか?そして、どうすれば効果的に排出量を減らせるか?について見ていきたいと思います。
✔︎本記事のポイント
① 私達は平均的に年間約8トンの二酸化炭素を排出。これは樹木600本分に相当
② 温室効果ガスを削減する工夫はたくさんある!エネルギーを抑えるかが鍵
③ 新しい技術やカーボンクレジットなどの取り組みにも注目!
でも、せっかくなので、まずはSDGsのおさらいもしてみたいと思います。
そこで本記事では、SDGs13の背景などを含めて「【SDGs13】あなたの気候変動への影響は?一人ひとりの温暖化への影響とできること」について紹介します。目標達成に向けて一人一人ができることを知り、今日からの取り組みに繋げてもらえたら嬉しいです。
目次
あなたの気候変動への影響を知る前のおさらい
気候変動はSDGs「持続可能な開発目標」のなかの13番のターゲットとして、サステナブルな社会に向けて重要な位置づけになっています。
SDGs13とは?
SDGs13とは「気候変動に具体的な対策を」というキャッチフレーズのもと、人の生活に由来する気候の変化をとどめ、今後発生していく自然災害に対して適応していくことを目的としています。
気候が変動し平均的な気温が高まっていくと、熱波や干ばつ、集中豪雨、自然火災、大型台風など様々な自然災害が増加すると予測されています。そのため、気温の上昇を緩やかにし、その影響を緩和するために、温室効果ガスの削減が求められています。また、まちづくりや人々の対応を通して、気候変動による環境の変化に適応していくことも重要となっています。
詳細については次の記事で紹介します。
関連記事:SDGs13とは?地球温暖化の問題と持続可能な開発目標「気候変動に具体的な対策を」
SDGs13のターゲット
SDGs13の温室効果ガスでは、温室効果ガスの排出の抑制(緩和)と、地球温暖化現象が招く影響を軽減(適応)することを目指しています。
13-1 | 気候に関する災害や自然災害が起きたときに、対応したり立ち直ったりできるような力を、すべての国でそなえる。 |
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13-2 | 気候変動への対応を、それぞれの国が、国の政策や、戦略、計画に入れる。 |
13-3 | 気候変動が起きるスピードをゆるめたり、気候変動の影響に備えたり、影響を減らしたり、早くから警戒するための、教育や啓発をより良いものにし、人や組織の能力を高める。 |
13-a | 開発途上国が、だれにでも分かるような形で、気候変動のスピードをゆるめるための行動をとれるように、UNFCCCで先進国が約束したとおり、2020年までに、協力してあらゆるところから年間1,000億ドルを集めて使えるようにする。また、できるだけ早く「緑の気候基金」を本格的に立ち上げる。 |
13-b | もっとも開発が遅れている国や小さな島国で、女性や若者、地方、社会から取り残されているコミュニティに重点をおきながら、気候変動に関する効果的な計画を立てたり管理したりする能力を向上させる仕組みづくりをすすめる。 |
私たち一人ひとりの気候変動への影響
一人ひとりが出している二酸化炭素の量は?
現在私達は、一般的にたくさんのエネルギーを用いて生活をしており、二酸化炭素を初めとする温室効果ガスを排出しています。こうしたガスが大気中に充満することで地球の平均気温も上がっています。
温室効果ガスと大気の温度の関係に関しては、こちらの記事で解説しています。
大気中の二酸化炭素濃度の増加のうち4分の3以上は、石炭・石油など化石燃料の燃焼によるものです。そのため、工業化の進んだ先進国が排出量が大きな割合を占めており、一人当たりの排出量は途上国を大幅に上回っています。
国立環境研究所が発表した資料によりますと、平均的な日本人が排出する二酸化炭素の量は約8トンとなっています。二酸化炭素は通常気体のため、どのくらいの量かイメージすることが難しいですが、一本の木が一年間に吸収する二酸化炭素の量が14キログラムですので、大まかに樹木600本分の二酸化炭素を一人一人が毎年排出していることになります。
京都議定書から始まる温暖化に対応するための国際的な協定を受けて、世界や日本で二酸化炭素の減らす努力がなされています。その結果、家庭から出てくる量をもとにした一人ひとり当たりの二酸化炭素排出量も減少していることが分かります。しかしながら、2030年に二酸化炭素の排出を半分にするためには、さらなる工夫や変化が必要になってきます。
国立環境研究所資料より転載
なお、日本に住む人の一人当たりの二酸化炭素排出量は世界の平均の約2倍の量になっています。同様の排出量を有している国としてドイツが挙げられます。先進国の中で一人当たりの二酸化炭素排出量が最も多い国がアメリカ、カナダ、オーストリアなどの資源国で、ついで韓国やロシアが続いています。なお、中国やインドは国としてみたあたりの二酸化炭素排出量は多いですが、人口も多く、一人当たりの排出量は中国で平均程度、インドでは世界平均よりも低い量となっています。
参考:JCCA
なお、一人当たりの二酸化炭素排出量には個人差があり、またさまざまな考え方や計算方法もあります。今回紹介した値は、一般の家庭生活に直接関係している二酸化炭素排出量を計算し、日本の人口で割って一人当たりの排出量を計算しています。
一人ひとりが出している二酸化炭素の内訳は?
では、どのような活動によって私達は二酸化酸素を排出しているのでしょうか?一般的な家庭における一人ひとりが出している二酸化炭素の内訳をまとめていました。
温度の調整にはエネルギーが必要なため、エアコンや温水などの利用によって二酸化炭素を排出されていることが分かります。照明は家電製品など普段あまり意識していないところでも、知らずに電気を消費して温室効果ガスもまた排出しています。また、私達が移動にもエネルギーが必要で、とくにガソリン自動車を利用している場合には、二酸化炭素の排出がおおくなっています。
気候変動の解決にむけて私たちにできること
では温室効果ガスの排出を削減し、対策するために、私達にできることはなんでしょうか?こちらでは主に下記の3つのポイントを紹介します。
✔︎気候変動の解決にむけて私たちにできること
① 日ごろ使っているエネルギーとお金を節約してみる
② 温室効果ガスの排出が少ない製品やサービスを使ってみる
③ (将来)二酸化酸素のクレジットを活用してみる
この中で①~②に関してはこちらの記事で、皆さんが今日からできるアクションやその効果を紹介しています。
そこで本記事では③に関して、簡単に紹介します。
③ (将来)カーボンクレジットを活用してみる
詳しくは次の記事で見ていきたいと思います。
カーボンクレジットとは
森林保護や省エネ技術、再生可能エネルギー導入といった活動による温室効果ガスの排出削減効果を取引できるかたちにしたもの。最近は民間事業者間の自主的な売買が活発になっている。現在は、自社の排出量を相殺して自主的に排出削減を行いたい企業が購入する。発行事業者は民間の認証機関が定めるルールに基づいて事前に計画をつくったり、第三者の審査を受けたりする。
カーボンクレジットとは、二酸化炭素の排出量を減らす活動を経済的に支援しながら、クレジットを購入した分だけ自分も間接的に二酸化炭素を排出することに貢献することができる仕組みです。
現在、カーボンクレジットは企業間での取り組みが中心となって行われていますが、今後は個人でもこうした取引ができてくるかもしれません。カーボンクレジットに関しては、次の記事で、詳しく見ていきたいと思います。
そのほかSDGs達成に向けた私たちにできること
このほか、SDGsに特化したSNS「Sustty」では、様々な気候変動の解決に向けたアクションを紹介しています。
1人1人の影響は小さいかもしれませんが、みんなが取り組むと「チリも積もれば山となる」で、大きな影響になります。
ぜひこれらの活動を参考に、世界を持続可能にしていきましょう!
また、Sustty-noteのサイトでは、SDGsに関わる様々な情報を掲載しています。宜しければぜひご参考にしてください。
>【警鐘】気候変動とは?歴史、原因、現状の進捗度と影響、対策と未来の全てを紹介