Sustty編集部がお届けするSDGs情報です。
でも、本当かどうか分からないし、影響もよく分からないから、ちゃんと知っておきたい。
こんな疑問に答えます。
この記事を書く私は、社会人になってからSDGs関連、環境関連の活動を続けている社会活動家です。気候変動や環境破壊に関心があり、SDGsアクションの促進をしています。
本記事は「【警鐘】気候変動とは?歴史、原因、現状の進捗度と影響、対策と未来を全て紹介」について紹介します。
SDGsを含めた、地球環境、人権、生物多様性を考えるキッカケにしてもらえたら嬉しいです。
目次
気候変動とは?
気候変動とは、気温および気象パターンの長期的な変化を指します。
過去と比較した際、気候が著しく変化し、気温の上昇や災害の増加、人が住める地域の水没など人間生活に対するリスクが高いため、全世界的に問題視されている地球規模の問題です。
この変化は、大きく2つの要因、「自然の要因」と「人為的な要因」があります。
自然の要因
気候変動の原因における「自然の要因」は、大気自身に内在するもののほか海洋の変動、火山の噴火によるエーロゾル(大気中の微粒子)の増加、太陽活動の変化などがあリます。
特に、地球表面の7割を占める海洋は、大気との間で海面を通して熱や水蒸気などを交換しており、海流や海面水温などの変動は大気の運動に大きな影響を及ぼす。
人為的な要因
参照:News Week
気候変動の原因における「人為的な要因」は、人間活動に伴う二酸化炭素などの温室効果気体の増加やエーロゾルの増加、森林破壊などがあります。
二酸化炭素などの温室効果気体の増加は、地上気温を上昇させ、森林破壊などの植生の変化は水の循環や地球表面の日射の反射量に影響を及ぼします。
これらの変化は太陽周期の変化によるものなど、自然現象の場合もありますが、1800年代以降は主に人間活動が気候変動を引き起こしており、その主な原因は、化石燃料(石炭、石油、ガスなど)の燃焼です。
気候変動はどんな影響があるの?
気候変動には、地球や人間生活へとさまざまな側面で影響を及ぼします。気候変動において、二酸化炭素の増加による温暖化が引き起こす影響が多岐に渡るため、「気候変動の影響≒温暖化の影響」とすると、大きくカテゴリー化をすると次のような影響群に分けられます。
✔︎気候変動の影響
① 人の生活への影響
② 産業への影響
③ 生物多様性への減少
詳細は次の記事で紹介します。
関連記事:【知っておきたい最前線!】地球温暖化の影響とは?「今と未来」への影響を紹介
気候変動の歴史とは?どうやって始まったの?
では、気候変動はどのように見出されてきたのでしょうか?
気候変動に関連する内容が発見されるには、長い歴史がありますが研究初期〜現行の「二酸化炭素」の影響に関する予測は、1800年代に学術的に発表されました。
なお、いずれも現在のサイエンスにおいて、当3名は気候変動以外の分野でも名の残る人たちで、サイエンス界のスーパースターですね。
1827年 フーリエ 温室効果を発表
参照:DAIKIN
太陽からのエネルギーで計算すると、地球の大気温度は−18℃。
でも、実際はもっと暖かいのはなぜだろうか?
この問いに初めて議論したのがフーリエ解析で著名なフランス・エコール・ポリテクニーク教授の「ジョゼフ・フーリエ」です(なお、もともとは高校の先生)。
1824年、フーリエは、太陽から地球に到達する放射エネルギーのみで計算するより、大気の温度が高温になる理由について初めて議論しました。
当時、大気が存在しなければ、地球の大気温度は放射平行温度(約-18℃)になりますが、実際には15℃に保たれていることに言及しています。
一方、この時には、15℃に保たれている理由については結論までは至りませんでした。
きっと、地球には温度を保つ「温室」のような性質があるのではないか?
1861年 チンダル 温室効果ガス発見・地球の気候を変える可能性を指摘
参照:QuszKnock
地球には温室のような効果がある。
では、なんで温室のようになっているのか?
この問いに対して、「温室効果ガス」を発見したのがチンダル現象で著名なイギリス・英国王立研究所の「ジョン・ティンダル(チンダル)」です。
フーリエの発表以降、温室効果の原因をさぐる研究が科学者の興味を引きましたが、温室効果の議論から経つこと37年の1861年、チンダルさんは二酸化炭素など特別な気体が赤外線を効率的に吸収する事実を実験的に示し、大気の熱的特性について答えを示しました。
つまり、地球の温室効果は、大気中の特定のガスによるものです。
また、その特定のガスの影響によっては、地球の気候さえも変える可能性があるのです。
1896年 アレニウス 石炭等消費による二酸化炭素濃度の増加での気温上昇の危険性を指摘
地球は特定のガスにより温室効果がある。
では、どれくらい特定ガスが増えると気温に影響を与えるの?
この問いに対して、二酸化炭素量が地表温度に影響を与えるという考えを示したのがアレニウスプロットで著名なスウェーデン・スウェーデン王立工科大学の「スヴァンテ・アレニウス」です。
アレニウスは、チンダルの結果を使い、二酸化炭素の増加に対する全球気温の感度を推定しました。当時は、人為的な化石燃料燃焼が大気中の二酸化炭素濃度上昇の原因であることにはまだ言及されておらず、科学者として初めて大気中の二酸化炭素の量の変化が温室効果によって地表の温度に影響を与えるという考え方を示しました。
1938年 カレンダー 人為的な二酸化炭素濃度の増加での気温上昇を指摘
二酸化炭素が増えると、気候に影響を与えると計算的に示された。
でも、実際に影響は出てるの?
この問いに対して、膨大なデータを解析して、”実際に”人のせいで地表温度に影響が出ていることを示したのが、技術士の「カレンダー」です。
カレンダーは蒸気機関の技師でありながら、温暖化の影響を報じる新聞や雑誌の記事に興味を持ち、綿密な解析に取り組みました。
多数の気象観測所のデータを収集して質の良いデータを抜き出し、PCのない時代、紙と鉛筆で計算するという膨大な時間の作業をしました。これらの作業は、熱機関技術者としての業務とは別にプライベートな時間に行い、その解析結果は、1938年に発表され、地球の平均気温が1890年から1935年にかけて疑いなく上昇したと述べ、この上昇温度は0.5℃に近い値であり、多くの科学者の興味を集めました。
1992年 地球サミット 気候変動枠組条約で全世界的議題へ
参照:地球doctor
一方、人為的な活動での温室効果ガスの増加による地球温暖化について、世界で賛否の多数の意見が出ました。しかしながら、科学的に温暖化に対する多数の科学的根拠が示されるようになり、
・1985年、オーストリアのフィラハで地球温暖化に関する初めての世界会議を開催。
・1988年、気候変動が環境、経済社会に与える影響について調査するため、国連環境計画と世界気象機関が集まって「気候変動政府間パネル(IPCC)」を設置。
・1990年、IPCCの第1報で「人為起源の温室効果ガスは気候変動を生じさせる恐れがある」と発表。
・1992年、リオデジャネイロで開催された地球サミットで「気候変動に関する国連枠組み条約」の署名が開始。
地球サミットにおける条約によって「気候変動」が世界的に認識され、世界共通の課題になりました。
気候変動の現状は?
上記で紹介した気候変動の世界的調査・報告組織のIPCCは1990年の第1回の報告より、数度に渡り、人間の活動と気候変動について報告してきています。
✔︎IPCCの報告の歴史
人間活動のため大気中の温室効果ガス濃度が上昇。それにより将来地球の表面温度が上昇する。
地球温暖化対策の緊急性・重要性を示唆する新たな科学的知見を示した
人間活動が気候変動の主な原因である可能性が高い(66%以上)
人間活動が気候変動の主な原因である可能性が非常に高い(90%以上)
人間活動が気候変動の主な原因である可能性が極めて高い(95%以上)
人の活動が気候変動に及ぼす影響は「疑う余地がない」
度重なる報告の中では、人間活動が気候変動に及ぼす影響が毎報告後に確度が高くなり、2022年には「疑う余地がない」という「断定」の域に達しました。
気候変動に対しては、気候変動枠組み条約において、各国とも対策を講じていますが、原因である二酸化炭素の増加量は年々増していき、世界は加速しながら、気候変動への危機に向かっていっています。
参照:IEA 資料:GLOBAL NOTE
こうした歴史的流れの中、IPCC第6報(2022年)では、気候変動の現状に対して次のようにまとめています。
- 人による温暖化には疑う余地がない
- 極端な自然現象の増加で人間活動に影響が出ている
- 海面上昇が加速する可能性がある
- 温暖化を1.5℃で止めるには今世紀半ばの二酸化炭素排出実質ゼロが必要
- エネルギー部門で温室効果ガスを削減するには、エネルギー効率と省エネルギーなどの大規模の転換が必要
- 産業由来の温室効果ガスを削減するには、循環型の物質フローを含む全ての緩和対策を促進するための行動が必要
参考:経済産業省IPCC資料
なお、IPCCの報告については、別の記事で詳細をまとめていきます。
気候変動の対策として私たちにできること
気候変動の対策として、私たちにできることはあるのか?考えられるアクション例は次のとおりです。
✔︎気候変動に対して私たちにできること
① 日々のエネルギーとお金を節約してみる
② 温室効果ガスの排出が少ない製品/サービスに変える
③ エネルギー/温室効果ガスを有効活用する新技術を知り、試す
気候変動は、人間1人1人の活動の総和によって引き起こされています。逆を言うと、人間1人1人が意識を持って行動に移すことで、気候変動の問題を和らげることができる可能性もあるのです。
気候変動に向けて、私たちにできることの詳細は次の記事でまとめているので、ぜひご参考ください。
関連記事:【今日からできる!】SDGs13「気候変動に具体的な対策を」の達成に向けて私たちにできること
また、世界的な取り組みとしては、2015年より始まっている全世界における「持続可能な開発目標(SDGs)」において、気候変動は「SDGs13」として取り上げられ、各種の目標値などが定められ、対策が取られ始めているので、ぜひチェックしておきましょう。
関連記事:SDGs13とは?地球温暖化の問題と持続可能な開発目標「気候変動に具体的な対策を」
まとめ:気候変動を知り、予測される未来を考え、今の行動に移そう!
本記事は「【警鐘】気候変動とは?歴史、原因、現状の進捗度と影響、対策と未来を全て紹介」について紹介しました。
2020年代は、気候変動における分水嶺とも言われ、今のアクションが、今後の地球や人間生活の未来の在り方が大きな影響を及ぼすことが知られています。
今回、記事を読んで下さった方が、少しでも地球規模の問題に興味を持ち、日々を見直すキッカケにしてもらえたら嬉しいです。
読んで下さり、ありがとうございました。
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