暑さ対策グッズで気候変動に対策を!熱中症予防の携帯アイテムを徹底解説

Sustty編集部がお届けするSDGs情報です。

マリモっち
最近の暑さで体調も心配になってきた。外に出るときもあるけど、歩いているときとかなんとか身体を冷やす方法はないのかなあ

こんな疑問に答えていきます。

この記事を書く私は、サステナブルに興味がある研究開発者です。気候変動を緩和するための新しい技術を検討していますが、現実に起きていることを受け止めて温暖化に適応していくことも重要だと感じています。例えば、普段の生活で外出することがありますが、暑い中でも体調を保つために、効果的な工夫はないかなと探しています。

そこで、本記事では、外出時に暑さを和らげる対策に着目し、「暑さ対策グッズで気候変動に対策を!熱中症予防の携帯アイテムを徹底解説」と題して、暑さ対策グッズの概要や事例をみていきたいと思います。

気候変動への適応という切り口で、様々なアイディアや商品について知り、自分に興味があることや実践できることを考え、日々の生活でのアクションにつなげてみてください!

暑さ対策グッズで気候変動に対策をみていく前のおさらい

暑さ対策グッズで気候変動に対策のおさらい1:気候変動とは?

気候変動とは、気温および気象パターンの中・長期的な変化を指します。気候の変化による健康被害や災害の増加、人が住める地域の水没など、気候変動は人間生活に関するリスクを有し、世界的に問題視されている問題です。この変化には、大きく2つの要因、「自然の要因」と「人為的な要因」があり、特に問題となっているのが後者になります。

気温の上昇を緩やかにし、その影響を緩和するために、温室効果ガスの削減が求められています。また、まちづくりや人々の対応を通して、気候変動による環境の変化に適応していくことも重要となっています。

気候変動に関してはこちらの記事で紹介しています。

 

暑さ対策グッズで気候変動に対策のおさらい2:SDGs13「気候変動に具体的な対策を」とは?

気候変動に関連する世界的な目標としてSDGsというものがあります。これは「Sustainable Development Goals(持続可能な開発目標)」の略で、2030年までに持続可能でよりよい世界を目指す国際的な目標です。17のゴールに分かれていて偏りなく「持続性」を推進できるように作れています。詳細については次の記事で紹介します。

SDGsの13番目の目標、SDGs13は、「気候変動に具体的な対策を」のキャッチフレーズのものと、温室効果ガスを減らして、住みやすい気候を保つことを目標としています。温室効果ガスの排出の抑制(緩和)と、地球温暖化現象が招く影響を軽減(適応)することが大切となってきます。詳細はこちらをご覧ください。

 

暑さ対策グッズで気候変動に対策のおさらい3:熱中症とは?

熱中症は、暑い環境に身体が適応できず、健康に支障がきたす様々な症状の総称です。熱中症に関連する指標として暑さ指標があります。

暑さ指標

熱中症を予防することを目的としてアメリカで提案された指標。 単位は気温と同じ摂氏度(℃)で示されるが、その値は気温とは異なる。暑さ指数(WBGT)は人体と外気との熱のやりとり(熱収支)に着目した指標で、人体の熱収支に与える影響の大きい ①湿度、 ②日射・輻射(ふくしゃ)など周辺の熱環境、 ③気温の3つを取り入れた指標となっている。

環境省は、暑さ指標をもとにして、日常生活におけるリスクの基準を策定しています。参考として暑さ指数と熱中症になった人の数の関係のデータもあり、暑さ指数が25になると特に警戒が必要になってきます。ただし、熱中症のなりやすさや個人の体調や体質により、温度への注意は日ごろから必要になってきます。

参考:環境省 熱中症予防情報サイト

日ごろから熱中症にならないように予防することが大切ですが、一方で体に異常を感じた時は、涼しい場所に移動したり、状況によって医療機関へ相談することも必要です。一般的な熱中症の症状をまとめておきます。

✔︎暑さ対策グッズに関連する熱中症の症状

軽度の場合
めまい・立ちくらみ・
筋肉の硬直・大量に汗が出る
中度の場合
頭痛・吐き気・
身体がだるい(倦怠感)・力が入らない
重度の場合
意識がない・けいれん・高体温・
呼びかけに反応しない・返答が異常・
まっすぐ歩けない・走れない

 

気候変動の対策へ暑さ対策グッズの概要

暑さ対策グッズの概要:気候変動に対策を

気候変動に対策するための暑さ対策グッズには、室内用や屋外用、そしてオフィスに特化したもの等が存在します。このうち本記事では、主に移動時に体の温度を保つアイディアや技術を紹介してきます。

従来、温度を制御する方法としては扇風機(~1880年実用化)やエアコン(~1930年実用化)が活躍してきました。こうした機器は、エネルギー消費しながら、ある特定の生活空間の温度を下げる(もしくは温める)という役割を果たし、今では生活に欠かせない製品となっています。

一方で、こうした電気機器の課題として、空間全体の空調制御しかできず、個人だけのスペースや外出時、移動中での温度調節には適応できないことが挙げられます。通勤や通学、日々の買い物、レジャーなど、人々が外気にさらされる時間はたくさんあります。その時に気温が高いと必要以上に体力が消耗されたり、熱中症になってしまったりするリスクがつきまといます。また、室内の温度差が激しい事で体に負荷をかける影響も考えられます。

今回紹介する暑さ対策グッズは身に着けられるという特徴を有しているものです。持ち運べる暑さ対策グッズは古くから私たちの身の回りに存在しました。また、最近の電子機器の小型化に伴い、身に着けることができる高機能な製品が続々と登場しつつあります。このような製品分野はウェアラブルとも呼ばれます

ウェアラブル

ウェアラブル(wearable)とは、「着用できる」、「身に着けられる」という意味の言葉で、IoTの用語としては例えば「デバイス」という言葉と合わせて「ウェアラブルデバイス」といった使われ方をし、身に着けて使う情報機器の総称を指します。

ウェアラブルデバイスには、リストバンド型や腕時計型、眼鏡型などがありますが、暑さ対策グッズにもこの考え方は適応できます。通信機器が搭載されることでスマートフォンなどとも連携でき、その利便性から今後の普及が見込まれています。

 

 

暑さ対策グッズの種類:気候変動に対策を

現在、様々な種類の暑さ対策グッズが販売されていますが、その種類は熱を制御する方法によって分類することができます。それぞれの原理や詳細は次の章で紹介しますが、例えば、ネッククーラーに代表される暑さ対策グッズは物質の融解熱を活用して温度調節を行います。その他にも、蒸発熱、メントールなどの化学物資、送風、ペルチェ機構などの機構を活用したものが存在します。

各様式が、それぞれ異なる重さや効果温度、効果時間、価格などの特徴を有しており、一人ひとりのニーズに適した選び方が重要だと思います。

気候変動の対策へ暑さ対策グッズの例

気候変動の対策へ暑さ対策グッズ1:融解熱式(個体⇒液体)

はじめに紹介する暑さ対策グッズは融解熱式のもになります。物質が固体から液体に変化する際には融解熱といわれる熱を吸収します。融解熱式は、こうしたものが融解する際の蓄熱によって冷却機能をもたせており、使用される物質を融解潜熱蓄熱材(PCM)と呼びます。

身近な例として、氷が水に融解することが挙げられます。氷は0℃付近で周りの熱を吸収することで融解しますが、その際に周辺を保冷する効果が生まれます。

 

個体から液体への変化(相変化)を起こす温度は物質によって異なり、用途によって温度の調整や熱量の改良がなされています。材料の一例として硫酸ナトリウム水和物が挙げられ、こうしたPCMをプラスチックの中やマイクロカプセルという小さな細孔に充填し、蓄熱/放熱の高効率化が図られています。

融解熱式の暑さ対策グッズの代表的なものとして、ネッククーラーがあります。主に首を冷やすためのアイテムで、太い血管を冷却することで血液の温度が下がり、全身を効率よく冷やすことを目的としています。

気候変動の対策へ暑さ対策グッズ2:蒸発熱式(液体⇒気体)

物質の相変化を利用したものとして、液体から気体に変化する蒸発熱を利用した暑さ対策グッズも挙げられます。

例えば、吸水性のあるタオルは、汗などの水分をすばやく吸収して発散させ、液体が気体になる際に吸収される気化熱を利用して冷却作用を持たせることができます。水を吸収しやすいポリマーを用いると、ポリマーが吸水し、蒸発を促します。各商品では冷感効果の高い吸収性の高いポリマーが選ばれています。また、汗の吸収を利用する他にも、ジェル状や液体の気化物質が含有されたタオルや張るタイプのものが存在します。

気候変動の対策へ暑さ対策グッズ3:メントール式

次に紹介する暑さ対策グッズはメントール式のものになります。メントールとは有機化合物の1つで、天然抽出物のものと人工的に作られたものの二種類が流通しています。天然由来のものは、はっか油から抽出されたl-メントールを指します。

メントールが皮膚に触れると冷感を人に与えると考えられています。これは人の皮膚に存在する冷たさを感じる部分(温度感受性TRPチャネル)が刺激され、脳に信号が届けられ、冷たい、涼しいと感じます。

そのため、厳密にいうと温度や湿度を調節しているわけではなく、私たちの五感を調整していることになり、その使用には注意も必要です。

メントールが含まれる暑さ対策グッズには、制汗剤や冷感スプレーが挙げられます。また、他の暑さ対策グッズと組み合わせて使用されることもあります。

気候変動の対策へ暑さ対策グッズ4:送風式

4番目に紹介する暑さ対策グッズは、送風式のものです。私たちになじみの深い扇風機もこの原理を利用しています。

汗をかいたり肌が濡れている際に、皮膚に風をあびると、肌表面の水分が蒸発します。そして前述の通り水分は蒸発するとき、周囲の熱を吸収していきます。そのため、送風によって肌表面の温度が下がり、涼しく感じられます。

送風式のもっとも基本的な商品として、うちわがあります。これは、手動で風を起こし、気化熱を利用して体感温度をさげていきます。

また、持ち運び可能な小型のファンも近年広がっている暑さ対策グッズにあげられます。送風式のファンは、回転方向に対して角度のついた羽根がついていて、回転によって羽根が空気を押し出し、空気の動きが生じます。

最後に近年では、ファンを衣類や持ち物に組み込んだファン付き作業服や空調グッズも多くみられるようになりました。これは暑さ対策グッズを別途持ち運ぶことなく、その機能を従来の衣類や携帯品に組み込むという考え方で、ウエアラブルの実用化例といえます。

 

気候変動の対策へ暑さ対策グッズ5:ペルチェ式

最後に紹介する暑さ対策グッズの方法はペルチェ式になります。これは電気を用いて温度を制御できる技術を用いたものです。

ペルチェ式に用いられるペルチェ素子は、電流を流すと熱が一方向に流れる特徴を有し、小型の冷蔵庫やパソコンのCPUを冷やすために以前から使われています。

最近ではペルチェ式を利用した携帯用のクーラーがみられるようになりました。例えば、ネッククーラーが代表的なものとして挙げられます。また、ペルチェ機構とファンの組み合わせも考えられ、ペルチェ素子のプレートと直接風があたるように配置された送風ファンで首回り全体を立体的に冷やすことができるとうたわれています。

 

気候変動の対策へ暑さ対策グッズの他に心掛けるポイント

本記事では気候変動の対策として外出や移動用の暑さ対策グッズを紹介してきましたが、他にも熱中症対策で心掛けるポイントを紹介しておきます。

気候変動の対策へ暑さ対策グッズの他に熱中症対策のポイント

飲み物を持ち歩く

暑い日は汗をかきやすく脱水状態になりやすくなります。そのため、飲料水やスポーツドリンクを持ち歩き、水分の吸収を心掛けることが大切です。

日差しを避ける

外出時はなるべく日かげを移動しましょう。また帽子や日傘などを利用して、できるだけ直射日光を避けましょう。

エアコンをつける

省エネのためエアコンを使うことに躊躇する方も多いかと思いますが、暑いと感じたときは我慢せずにエアコンも使いましょう。

普段から体調管理を心掛ける

過労や睡眠不足は熱中症の原因となります。普段からバランスよい食事と規則正しい生活を心がけましょう。

熱中症対策アプリをつかう

熱中症アラートや日よけルートの検索など熱中症対策向けのアプリもありますので、試してみるのもありです。

暑さ対策グッズを利用する

暑さ対策として、今回紹介した暑さ対策グッズやさまざまな保冷グッズ、便利グッズを利用するのもお勧めです。自分に興味があるものを探してみてください。

 

暑さ対策グッズで気候変動に対策をのまとめ

暑さ対策グッズで気候変動に対策をのまとめ

ここまで気候変動への対策として、暑さ対策グッズを活用した熱中症予防を紹介してきました。本記事で紹介したポイントもう一度まとめておきます。

✔︎暑さ対策グッズで気候変動に対策のまとめ

暑さ対策グッズで気候変動に対策の前のおさらい

・暑さ指数は人体と外気との熱のやりとりに着目した指標で、人体の熱収支に与える影響の大きい ①湿度、 ②日射・輻射(ふくしゃ)など周辺の熱環境、 ③気温の3つを取り入れた指標

・暑さ指数が25になると特に警戒が必要だが、熱中症のなりやすさや個人の体調や体質により、温度への注意は日ごろから大切

暑さ対策グッズで気候変動に対策を

・紹介する暑さ対策グッズは持ち運べる・身に着けられるという特徴を有し、ウエラブルという製品分野

・暑さ対策グッズの種類は熱を制御する方法によって分類できる。物質の融解熱、蒸発熱、メントールなどの化学物資、送風、ペルチェ機構などの機構を活用したものがある

・それぞれ異なる重さや効果温度、効果時間、価格などの特徴を有しており、一人ひとりのニーズに適した選び方が重要

気候変動の対策へ暑さ対策グッズの他に熱中症対策のポイント

・飲み物を持ち歩く、日差しを避ける、エアコンをつける、普段から体調管理を心掛ける、熱中症対策アプリをつかう、暑さ対策グッズを利用する

暑さ対策グッズで気候変動に対策を踏まえその他私達にできること

ここまで、気候変動の対策の一環として”適応する”という切り口で、暑さ対策グッズを紹介してきました。最後に気候変動を抑制するために、一人ひとりにできることを改めて紹介します。

✔︎気候変動の対策に関連して私たちにできること

① 日ごろ使っているエネルギー(とお金)を節約してみる

② 温室効果ガスの排出が少ない製品やサービスを使ってみる

③ エネルギーや温室効果ガスを有効活用する新しい技術を知って試してみる

詳細を次の記事でみていきますので、是非お付き合いください。

1人1人の影響は小さいかもしれませんが、みんなが取り組むと「チリも積もれば山となる」で、大きな影響になります。

ぜひこれらの活動を参考に、世界を持続可能にしていきましょう!

 

SDGsに特化したSNS「Sustty」では、様々なSDGs13の具体例を紹介しています。

https://sustty.com

また、Sustty-noteのサイトでは、SDGsに関わる様々な情報を掲載しています。宜しければぜひご参考にしてください。

>【完全ガイド】SDGsとは

 

おすすめの記事