`Sustty編集部がお届けするSDGs情報です。
企業としてのSDGsの取り組み方法や取り組み事例を知りたいな。
こんな疑問に答えます。
この記事を書く私は、社会人になってからSDGs関連、環境関連の活動を続けている社会活動家です。
SDGsは2015年に国連で採択された、持続可能な未来を守るための「持続可能な開発目標」で、この2020年代のアクションが今後の地球にとって、とても重要な効果があることが知られています。
本記事は「【必読】なぜ必要?企業におけるSDGsの取り組みと理由・方法(事例も紹介)」について紹介します。
企業のSDGsの取り組みを理解を通して、企業活動へのSDGsの取り組み方法の理解への手助けなれたら嬉しいです。
fa-info-circleそもそもSDGsとは?
SDGsの意味は番号、目標や各種の問題について、次の記事でまとめているので、SDGsについて知りたい方はご参照ください。
目次
効果UP!企業のSDGsの効果的な取組方法
「え?最初からコツの紹介なの?」と感じるかもしれません。
しかしながら、SDGsを取り組むは複雑であり、方法は多様で、100点満点の正解があるわけではありません。
取組方法を調べると、さまざまな観点が増えてしまい、なかなかSDGsの取り組みが進まない場合もあります。SDGsの取り組みは、その日限りの一過性なものではなく、定期的に見直し、改善されていくものです。
そのため、まずはSDGsの考えを企業に中に取り組む上で進みやすくなるコツを紹介したいと思います。
✔︎企業のSDGsの効果的に取り組むコツ
コツ① SDGs推進組織をつくる
コツ② 市・県のSDGsパートナー制度に応募する
コツ③ Webサイトで発信する
コツ④ SDGsコンサルを活用する
コツ⑤ 関連企業を巻き込む
コツ① SDGs推進組織をつくる
企業のSDGsの効果的な取組方法のコツの1つ目は「SDGs推進組織をつくること」です。
SDGsは17の項目があり、とても多岐にわたるために、一人だけでは気づきづらい視点があります。また、会社の経営を客観的に評価することも求められるために、SDGsを推進する際は、企業内に最低三人程度の「SDGs推進組織」をつくりましょう。
SDGs取り組みの抜けや漏れをなくす上でもSDGsの企業の取り組みにおいては「1人0.3の工数」よりは「3人0.3工数(1人0.1工数)」の方がより良いSDGsの取り組みになりやすくなります。
今、当画面を読んでいる方は、企業におけるSDGsの取り組み方法を調べられている方がメインだと思われますが、現在、SDGs推進委員のメンバーは3人以上いるでしょうか?もし3人がいないようであれば、周りに掛け合い、最低3人で取り組み始めましょう。
コツ② 市・県のSDGsパートナー制度に応募する
企業のSDGsの効果的な取組方法のコツの2つ目は「市・県のSDGsパートナー制度に応募すること」です。
正直、SDGsパートナー制度に応募することが最も効果が高く、取り組み理解を深める上でも良い影響を与えます。
「SDGsパートナーに応募するなんて、しっかりとSDGsに取り組んでいないと審査が厳しそう、、、」と感じる方もいるかもしれませんが、実はハードルは高くありません。
県や市によって、SDGsパートナー制度への応募形式は異なりますが、過去に対応させて頂いた簡易なものでは、応募用紙の記入は5分も掛からずに終わり、パートナーに認定してもらうこともできる場合もあります。
では、なぜSDGsパートナー制度に応募することが良いのか?その理由は、市や県が、その土地や企業種にあったSDGsの推進のワークショップを開催してくれたり、SDGsパートナー同士が一堂に会するイベントを開催してくれるからです。
そうしたワークショップやイベントに参加することで地域で身近な企業がどのようにSDGsに取り組んでいるのかを知り、地元に馴染んだSDGsの取り組み方法の情報を得ることができるようになります。
コツ③ Webサイトで発信する
企業のSDGsの効果的な取組方法のコツの3つ目は「Webサイトで発信すること」です。
SDGsは自社の活動を整理したのちに「報告すること」が求められます。そのため、何らかの手法で、報告内容を公表することが必要になります。
その際、自社のWebサイトで発信しておくと、その後の手間を増やすことなく、誰もが確認することができ、工数の上でも情報の透明性の上でも、または自社のSDGs活動のPRの上でも良い効果に繋がります。
コツ④ SDGsコンサルを活用する
企業のSDGsの効果的な取組方法のコツの4つ目は「SDGsコンサルを活用する」です。
市や都道府県のSDGsのイベントに参加しても良いのですが、時間が限られていたり、個別に長期にわたって対応することは難しい場合もあります。また、いますぐにSDGsの対応が必要な場合などでも、イベントに合わせる必要があるために、自社に沿ったタイミングで始めることができない場合もあります。
そうした要望がある場合は、民間が行なっているSDGsコンサルの活用がおすすめです。
民間ゆえに自社のペースに合わせた対応をしてくれることが多く、さらには業界に合わせたSDGs活動のまとめ方なども出来るために、早く・良質な内容でSDGsの報告体制を作り上げることができます。
コツ⑤ 関連企業を巻き込む
企業のSDGsの効果的な取組方法のコツの2つ目は「関連企業を巻き込むこと」です。
関連企業を巻き込むことで、該当業界におけるSDGsの取り組み方の情報を得られることに加え、相互にSDGsのパートナーとして意識することで、持続可能なバリューチェーンへの意識や、バリューチェーンを包括的に考えたSDGsの経営判断ができるようになる場合もあります。
少なくとも、自社のバリューチェーンに乗るような企業群がSDGs報告を実施しているか確認し、実施している場合には、該当会社と関係を持ち、相互にSDGsアクションを深めあえられる関係を構築しておきましょう。
企業のSDGsの取組方法
SDGsに対する企業の取り組み方法はたくさんありますが、取り組めば取り組むほどにその負担は大きくなってしまいます。
そのため、ここでは「これだけでも取り組む必要がある」という、社会的にも認められている取り組み方法を紹介します。
✔︎SDGsへの企業の取り組み方法
SDGコンパス
ステップ1:SDGsを理解する
ステップ2:優先課題を決定する
ステップ3:目標を設定する
ステップ4:経営へ統合する
ステップ5:報告とコミュニケーションを行う
その後、ステップ2〜5を定期的に繰り返す
SDGコンパスとは?
SDGコンパスとは、SDGs の企業⾏動指針であり、SDGs を企業がどのように活⽤すれ ば良いかを⽰しており、環境省などによって紹介されています(参照:環境省)。
当手法は、GRI(グローバル・レポーティング・イニシアティ ブ)、国連グローバル・コンパクト及び WBCSD(持続可能な開発のた めの世界経済⼈会議)の共同で作成され、グローバル・コンパクト・ネッ トワーク・ジャパン(GCNJ)及び公益財団法⼈地球環境戦略研究 機関(IGES)の翻訳で⽇本語版が発⾏されています。
SDGsコンパスでは、各企業の事業にSDGsがもたらす影響を解説するとともに、持続可能性を企業の戦略の中⼼に据えるためのツールと知識が提供されています。
ステップ1:SDGsを理解する
最初のステップは「SDGsを理解する」ことです。
ステップ1のSDGsを理解する上で、最低限に取り組むべきことは次の1つです。
✔︎ステップ1の取組み事項
ステップ1:SDGsを理解する
1-1:SDGsの知識を増やす
1-1:SDGsの知識を増やす
まずは企業内において、SDGsが社内共通言語になるように、チーム全員でSDGsに関する共通の知識を増やしていきましょう。
とは言っても、SDGsに関連する内容はごまんとあるため、情報を収集を始めてみても中々掴みづらく、時間がかかってしまいます。
そこでおすすめの進め方は次のとおりです。
・まずは6割の理解で、報告書まで作成してみる
・定期的なSDGs勉強の時間を作り、報告書の精度を高めていく
まずは「完全に」理解することを求めず、企業の報告に必要な関連知識を得ていきましょう。その際、「SDGsの概念」「SDGsの各番号」「SDGsの報告方法」、最低限この内容を押さえておくと、報告につなげることができます。
そして、自社の整理を行いながらも、SDGsの社内外での勉強会を行なって、定期的に情報をアップデートしていきましょう。SDGsのターゲット自体を含め、年々内容が更新されています。例えば、SDGsコンサルや大学、市町村などが行なっているSDGsの勉強会に顔を出し、トレンド情報なども入れておきましょう。
ステップ2:優先課題を決定する
次のステップは「優先課題を決定する」ことです。
ステップ2の優先課題の決定に向けて、最低限に取り組むべきことは次の2つです。
✔︎ステップ2の取組み事項
ステップ2:優先課題を決定する
2-1:自社事業とSDGsの17目標を紐付ける
2-2:優先的に取り組む課題を決める
2-3:169のターゲットと紐づけて整理する
2-1:自社事業とSDGsの17目標を紐付ける
次にすることは、SDGsと自社の事業を関連づける作業で、報告に向けた第一歩になります。
この際に有効な手段が、自社事業とSDGsの17目標の関係性を紐付けて整理することです。
自社事業と関連づける際、おすすめの整理の仕方が「SDGsマッピング」です。バリューチェーンを整理して、SDGs的に「良い面」と「良くない面」に分けて影響を考えていく方法です。
上記は具体例の1つとなります。
自社だけが及ぼしている直接的な影響に加え、間接的に影響を及ぼしている課題に対しても、SDGコンパスでは企業として企業責任を果たすことが求められています。
次の記事で詳細をまとめているので、ぜひチェックしてみてください。
関連記事:【必読】なぜ必要?企業におけるSDGsの取り組みと理由・方法(事例も紹介)
2-2:優先的に取り組む課題を決める
バリューチェーンごとの課題が見えて来たら、優先的に取り組む課題を決めていきましょう。
この際、取り組むべき課題に正解はありませんが、最初の段階では、自社のメイン事業と最も関連が深いと思われるものを選ぶと、経営とSDGsの課題が直結しやすくなります。
例えば、SDGs関連のイベントを主催する企業では、「17パートナーシップを強化する」などを選択すると、事業内容を通してSDGsの達成に向けた取り組みを行いやすくなります。
2-3:169のターゲットと紐づけて整理する
上で決めた優先課題を、SDGsの各目標に含まれる全169のターゲットと関連付けて、自社で取り組む際の取り組み事項と目標の大枠をイメージしていきましょう。
SDGsの各目標に含まれる全169のターゲットについては次の記事で紹介しているのでご参照ください。
関連記事:SDGs(持続可能な開発目標)17の目標&169ターゲットの一覧
ステップ3:目標を設定する
次のステップは「目標を設定する」ことです。
ステップ3の目標設定に向けて、最低限に取り組むべきことは次の2つです。
✔︎ステップ3の取組み事項
ステップ3:目標を設定する
3-1:優先課題にターゲットを参考に目標を設定する
3-2:進捗度確認のための評価指標を決める
3-3:公表する
3-1:優先課題にターゲットを参考に目標を設定する
先に決めた優先課題に対し、169のターゲットの中から、近しいものを探し出し、具体的な目標値を設定していきましょう。
例えば、上で紹介したSDGs関連のイベントを主催する企業では、「17パートナーシップを強化する」を優先課題としましたが、SDGs 17のターゲットは全19個あり、その中で事業を通して取り組むべきものは次のようなものがあります。
(具体例)
17.16
全ての国々、特に開発途上国での持続可能な開発目標の達成を支援すべく、知識、専門的知見、技術及び資金源を動員、共有するマルチステークホルダー・パートナーシップによって補完しつつ、持続可能な開発のためのグローバル・パートナーシップを強化する。
これを例に、自社のイベントを通して、次のような目標などを考えることができます。
(具体例)
目標
3-2:進捗度確認のための評価指標を決める
上で目標を決めたら、その目標に向けて進捗度合いを測るための評価指標を決めていきます。
評価手法は、定めた目標に異なりますが、注意すべきことは「SMART」という項目であり、各種の目標設定をする際の判定ツールになります。
SMARTとは?
SMARTとは、目標設定に役立つフレームワークであり、次の5つの英文字の頭文字で構成されます。
◆要素1:Specific(具体的に)
誰が読んでもわかる、明確で具体的な表現や言葉で書き表す◆要素2:Measurable(測定可能な)
目標の達成度合いが本人にも上司にも判断できるよう、その内容を定量化して表す◆要素3:Achievable(達成可能な)
希望や願望ではなく、その目標が達成可能な現実的内容かどうかを確認する◆要素4:Related(経営目標に関連した)
設定した目標が職務記述書に基づくものであるかどうか。と同時に自分が属する部署の目標、さらには会社の目標に関連する内容になっているかどうかを確認する◆要素5:Time-bound(時間制約がある)
いつまでに目標を達成するか、その期限を設定する
この観点で先の例を見てみましょう。
(具体例)
目標
SDGs関連のイベント等を通し、SDGsの知見を持つパートナーシップを増加させる
SMARTで分析してみると、
・要素2:どれだけ増加させたら良いのか分からない。
・要素3:どれだけ実現性があるのか分からない
・要素4:会社と関連しているのか分からない
・要素5:いつまでか分からない
こんな感じで、不明瞭なところが多いことが分かります。そのため、各種の情報をサポートしてあげます。
(具体例)
目標
2022年3月末までに、SDGsの知見を持つパートナーシップ数(イベントの参加者数)を前年度比2%増加させる
(パートナーシップの増加により、イベントに関連する売上げを前年比2%向上させる)
*前年度実績:2021年におけるSDGsのパートナーシップ数伸長率:1.5%
このように補足してあげることで、SMARTの視点で振り返っても、最初の目標よりはずっとイメージしやすくなった思います。
3-3:公表する
以上で、目標が定まったら、次に公表していきましょう。
公表するには、自治体、Webメディア、会社の報告書など、媒体はさまざまありますが、重要なことは事前に目標を公表することです。
目標達成度だけの見栄えを気にする際、結果が出てから目標を公表する、後出しジャンケンのような、報告をする例もありますが、企業においてSDGsは目標達成に向けたプロセスでもあり、後出しすることはSDGsにウォッシュにあたります。
目標を定めた時点で、的確に公表を進めましょう。
ステップ4 経営へ統合する
次のステップは「経営へ統合する」ことです。
ステップ4の目標設定に向けて、最低限に取り組むべきことは次の2つです。
✔︎ステップ4の取組み事項
ステップ4:経営へ統合する
4-1:経営者がSDGsについて発信する
4-2:目標達成に向けた具体的な施策を検討する
4-3:経営者がSDGsについて定期的に発信する
4-1:経営者がSDGsについて発信する
目標を定め終えたら、経営者が社内に向けて、SDGsの目標と会社としての取り組み方針を発信しましょう。
SDGsは業務とは別の仕事として捉えられる場合もありますが、本来であればSDGsは経営に直結した内容で、全部署にわたって意識され、取り組まれる内容です。
そこで、トップからの方針としてSDGsに対する理解や姿勢を示すことで、SDGsの推進委員や担当者だけでなく、全従業員が意識し、活動できる環境を作っていきましょう。
4-2:目標達成に向けた具体的な施策を検討する
全部署でのSDGsの意識の醸成に合わせ、目標達成に向けた具体的な施策を各部署に落とし込んでいきましょう。
目標の数値的な達成に向けては、経営視点が入るので、初期の段階ではトップダウン形式で数値目標を落とし込み、各部署長などが具体的な施策を検討していくことが求められます。
そうして設定される1つ1つの施策全体が集まり、会社としてのSDGs活動として、社外に説明できるようになります。
4-3:経営者がSDGsについて定期的に発信する
具体的な施策を決め、活動が始まったら、定期的に経営者からSDGsの取り組み状況について発信する機会を設けましょう。
全部署にわたって取り組む必要が求められても、実際には、部署ごとに偏りがあったり、中々取り組み方法をイメージできない場合もあります。
そうした際は、経営者から定期的にSDGsの進捗状況(例えば、ある部署の活動をピックアップしたり、など)をすることにより、他部署の取り組み状況を知ることができ、全部署に渡ってのSDGs活動の向上に繋げることができます。さらに、定期的にSDGsの報告をすることで、SDGsの活動を定常的に感じるようになり、日々の業務の延長として捉えることができるようになりやすくなります。
ステップ5 報告とコミュニケーションを行う
次のステップは「報告とコミュニケーションを行う」ことです。
ステップ5の目標設定に向けて、最低限に取り組むべきことは次の2つです。
✔︎ステップ5の取組み事項
ステップ5:報告とコミュニケーションを行う
5-1:取組内容を、外部に発信する
経営への統合が済んだら、次にSDGs活動を社外にも公表し、外部とのコミュニケーションをとりましょう。
外部に発信することで、SDGs活動を実践する企業と認識され、SDGsに関連した企業との接点を増やすキッカケを作ることができます。
また、報告を行うことによって、持続性に対する企業に求められる社会的責任を果たすことにも繋がり、自社の価値の向上にも繋がります。
バリューチェーンを含め、身近な企業やステークホルダーへのSDGs関連の報告を行うことで、自社の活動を社内にとどまらず社会的に認識を広げていきましょう。
企業のSDGsへの取り組み時の注意点
企業がSDGsを取り組む上で、特に注意したいポイントを紹介します。
✔︎企業のSDGs取り組みの注意点
①SDGsウォッシュにならない
②定期的に評価・報告する
③経営に統合する
詳細については、別に記事でまとめているのでご参照ください。
関連記事:【必読】なぜ必要?企業におけるSDGsの取り組みと理由・方法(事例も紹介)
まとめ:企業の取り組み方法を活用してSDGs活動を報告しよう
本記事は「本記事は「【必読】なぜ必要?企業におけるSDGsの取り組みと理由・方法(事例も紹介)」について紹介しました。
SDGsについての理解が深まり、未来に向けて考えるキッカケになれていたら嬉しいです。
また、当サイト内では、SDGsに関するさまざまな情報を発信しているので、持続可能な未来づくりに貢献したい場合にはぜひご参照ください!
Susttyの注目記事
持続可能な未来の実現できる情報を発信しています。
・SDGsとは?
・気候変動の影響は?
・毎日どうやって過ごせば良いの?
2020年台は、今後の地球の持続性における分水嶺であり、この数年のアクションの変化が、今後の地球の住みやすさに劇的な変化をもたらします。
SDGs・気候変動・環境問題などを参考に「持続可能な社会」の参考にして頂けたら嬉しいです。