Sustty編集部がお届けするSDGs情報です。
せっかくSDGsという指標があるのだから、それを用いて探れないのかな?
こんな疑問に答えます。
この記事を書く私は、サステナブルに興味がある研究開発者です。2022年になって世界の状況が不安定になる中、現状について冷静に学び、自分の出来ることに取り組み続けたいなと思う今日この頃です。
今回は、6月2日に発表されたSDGsのレポート「Sustainable Development Report」をもとに、世界と日本の今を探っていきたいと思います。私たちの現在地点を知り、今後の課題を整理することで、私たちの生活に生かせることもあるかも知れません。
そこで本記事では、SDGsの評価の内容などを含めて「【2022年最新】進捗はOK?SDGsスコアからみる世界の現状」と題して、SDGsという指標を通して2022年現在の状況を見ていきたいと思います。
目次
SDGsの世界の現状を知るための指標:SDGsスコア
SDGsとは?
SDGsとは、「Sustainable Development Goals(持続可能な開発目標)」の略で、2030年までに持続可能でよりよい世界を目指す国際的な目標です。17のゴールに分かれていて偏りなく「持続性」を推進できるように作れています。
SDGsは、17のゴールに分けられており、さらにそれぞれのゴールを達成するために細かく決められてた169のターゲットを含んでいます。包括的なため分かりにくい印象もありますが、SDGsという指標を上手く活用して、持続可能性に関する取り組みに生かしていくことが大切だと思います。
詳細については次の記事で紹介します。
関連記事:【完全ガイド】SDGsとは?初心者のための分かりやすい網羅書
SDGsランキングとは?
国際的な研究組織「持続可能な開発ソリューション・ネットワーク」(SDSN)は、2016年から年に一度、SDGsの達成状況を分析したレポート「Sustainable Development report」を発行しています。
当レポートは、約500ページからなる膨大な内容で、以下のようなポイントが述べられています。
持続可能な開発レポートの主な内容
・現在の世界の状況とSDGsの進捗状況
・世界のSDGsへの投資計画
・世界各国のSDGsランキング
・各国のSDGsの進捗状況
・SDGs達成に向けた政策や公約状況
レポート中のSDGsランキングとは、国連や研究機関などの統計資料をもとに、各国のSDGsの取り組みを点数化し(SDGsスコア、SDG Index)、各国をランキングにして表したものです。
SDGsスコアの見方
下記は評価パネルの一例として、2021年の日本のスコアをしめしています。
目標のロゴが色分けされており、それぞれの残されている課題の大きさを表しています。
目標ロゴの色分けの意味
赤色:課題が大きい
橙色:課題が中くらい
黄色:課題が小さい
緑色:目標を達成
目標の右側に矢印は前年からの進展を表しています。例えば、緑の矢印の場合は前年と比較して大きく前進していることを意味し、赤の下向き矢印は後退していることを表しています。
では、まずはSDGsという指標を通して世界の状況を見ていきましょう。
【2022年最新】SDGsの世界の状況
それでは、SDGsからみる世界の状況について解説していきます。
SDGsからみる2022年の世界の状況
報告書によると、世界平均のSDGs進捗スコア(SDGs Index)は2020~2021年の2年連続で微減してしています。
SDGs進捗スコアの微減の理由には大きく2つの理由あります。
✔︎SDGs進捗スコアの微減の理由
①新型コロナ
②ロシアーウクライナ情勢
①新型コロナ
新型コロナウイルスの流行によって、健康や安全面での悪影響が響き、特に発展途上国での回復が遅れていくることが影響しています。
SDGsの中では、SDGs1「貧困をなくそう」やSDGs8「働きがいも経済成長も」の遅れが大きく、またSDGs13「気候変動に具体的な対策を」や生物多様性に関するSDGs14やSDGs15への取り組みも遅れています。
②ロシアーウクライナ情勢
ロシアのウクライナ侵攻をはじめとする軍事衝突による、貧困の増加や食糧安全保、そして安価なエネルギーへのアクセスといった点に影を落としています。このような危機によって政策や優先順序が短期的なものに集中してしまい、SDGsやパリ協定などの中長期的で重要な目標が見過ごされてしまう恐れも指摘されています。
不安定な状況の中で、平和や外交、国際協力の重要性が叫ばれています。さらに、持続可能性への重要な要素である社会的な協調や、クリーンエネルギー、責任ある消費、公共サービスへのアクセス等の改善が重要であると強調されています。
各国のSDGsの取り組み状況と進捗
SDGsを支える政策の目標や取り組みは、国によって大きく異なっています。そのためSDSNでは毎年、SDGsに対する政府の取り組みについて調査を行っています。
SDGsの目標が、各国の公式発表や計画、予算、モニタリングシステムにどのように組み込まれているかチェックし、取り組みの度合いをスコア化(取り組みスコア)しています。
SDGs進捗スコア:SDGsの目標に対する達成度
SDGs取り組みスコア:SDGsの取り組み宣言に対する自国の取り組み度
2020年のSDGsに対する政府の取り組みスコアは、60カ国以上を対象に集計されました。下記の図は、各国の取り組みスコアに対して、SDG進捗スコアを表したものです。
ばらつきは大きいですが、取り組みスコアが高いほどSDGsの進捗が大きいことが伺えます。
また、北欧諸国やドイツ、日本、アルゼンチン、メキシコが比較的、SDGsを比較的高く支持しています。
ベナンやナイジェリアなどの一部の国では、SDGs進捗スコアが低いものの、政策などの取り組みの点では比較的高いスコアを獲得している国もあります。このうちベニンとメキシコは、近年、持続可能な開発投資の規模を拡大しています。
一方で、G20加盟国のうち、米国とブラジル、ロシア連邦の3カ国は、2030年へSDGsの支持率が最も低いことが明らかになりました。
米国は、国連加盟国の中で数少ない、自発的国家評価(VNR)を提出したことがない国連加盟国です。経済成長が著しい中国や今後の成長が見込まれるインドも比較的低い取り組み状況になっています。
各国のSDGsのランキング
今回のレポートにおける国ごとのSDGs進捗ランキングでは、前年同様、フィンランドが1位となりました。2位は前年3位のデンマーク、3位は前年2位のスウェーデンとなっており、ベスト3の顔ぶれは変わらず北欧勢が独占しています。
5位以降も欧州諸国が続いおり、例えばノルウェーが前年より3ランクアップして4位に、スイスが8位アップで8位に、アイルランドが4位アップで9位にランクインしたのが大きな動きでした。
ランキング1位となったフィンランドに関しては下記の記事で紹介していますので是非ご覧ください。
日本は79.6点で19位になっておりアジアではトップとなっています。他の国として例えば、韓国は27位(77.9)、中国は56位(72.4)です。ほかの主要先進国ではカナダが29位(77.7)、オーストラリアが38位(75.6)、米国が41位(74.6)、ロシアが45位(74.1)などとなっており、SDGsの達成に課題を抱えていると言えます。
まとめ:SDGsの世界の現状を受け止め、改善していこう
いかがだったでしょうか?確かにと思ったことや意外に感じられたこともあったかも知れません。
改めて、SDGsスコアからみる世界の現状をまとめます。
✔︎2022年SDGsスコアからみる世界の現状
・SDGs達成度の世界平均は66点/100点
・SDGs達成度の高い国はフィンランド、デンマーク、スウェーデンの北欧勢
・G20加盟国のうち、米国とブラジル、ロシア連邦の3カ国は、2030年へSDGsの支持率が最も低い
・日本のSDGsスコアは79.6点の19位でアジアトップ
世界の状況が刻一刻と変わっていく中でも、まずは自分の興味があることに注目し、最初の一歩を踏み出してみることが大切です。SDGsを一つの物差しとして上手く活用し、SDGsアクションのレベルをあげていきたいものです。
SDGs達成に向けて私たちにできること
このほか、SDGsに特化したSNS「Sustty」では、様々なSDGsアクションの具体例を紹介しています。
1人1人の影響は小さいかもしれませんが、みんなが取り組むと「チリも積もれば山となる」で、大きな影響になります。
ぜひこれらの活動を参考に、世界を持続可能にしていきましょう!
また、Sustty-noteのサイトでは、SDGsに関わる様々な情報を掲載しています。宜しければぜひご参考にしてください。