SDGs16とは?平和の問題と「平和と公正をすべての人に」のための持続可能な開発目標

Sustty編集部がお届けするSDGs情報です。

マリモっち
SDGs16について知りたいなあ。
平和と言われてもよく分からないし、どんな問題があるのか?みたいなことも知れたら嬉しい。

こんな疑問に答えていきます。

この記事を書く私は、社会人になってからSDGs関連、環境関連の活動を続けている社会活動家です。

僕は生まれてから戦争に直面していませんので、本当のところでその辛さや悲しみを分かりません。一方、最近に西側諸国の状況を見る限り、平和の大切さを強く感じています。

本記事では「SDGs16とは?平和の問題と「平和と公正をすべての人に」のための持続可能な開発目標」について紹介します。

SDGs16について知って、なぜ取り組むのか?ということから、どんなことができるのか?ということを知り、身近な生活の具体的な改善アクションにつなげてみてください!

 

SDGs16とは?

SDGs16とは「平和と公正をすべての人に」という目標のもと、持続可能な開発のための平和で包摂的な社会を促進し、 すべての人々に司法へのアクセスを提供し、あらゆるレベルにおいて効果的で説明責任のある包摂的な制度を構築する目的で作られました。

日本は治安が良く、平和であることが世界的に知られているので、その中で暮らしている私たちにはイマイチ「平和」を感じにくいかもしれません。

でも、例えばこんなことを聞いたら、どう感じるでしょうか?

✔︎日常でこんなことが起きたら、どう感じる?

・信号で停車したら、ナイフを持った人に窓を叩かれる

・住んでいる場所によって裁かれ方が違う

・夜、銃声のため恐怖で眠れない

・近くの家が爆破された

日本人なら「マジ、物騒すぎるよ、、、」と感じることだと思います。一方で、世界ではこれが”日常”な場所もあります。

SDGs16では、平和と公正がすべての人にあたりまえに与えられることを今後のありたい姿としています。

 

SDGs16とは?分かりやすく言うと「安心で公正な社会に!」

少し堅い言葉が続きましたが、SDGs16とは、分かりやすく言うと「安心して暮らせる公正な社会を!」ということです。

だれもが銃声に怯えることなく、今日、命が奪われる危機を感じることなく、公正な世界をつくることが目的になります。

 

世界におけるSDGs16の問題

世界において、SDGs16で問題になっていることはたくさんありますので、主に3つを紹介します。

✔︎SDGs16の世界の問題

① おさまらない戦火

② 子供への暴力の許容

③ 非人道的扱い

① おさまらない戦火

SDGs16の世界の課題の1つは、おさまらない戦火です。

日本は第二次世界大戦を機に、世界的に見ても平和を愛する国へと再構築されましたが、世界ではまだ戦争・紛争が絶えません。

2020年には6人に1人、つまり約4億5,200万人の 子どもたちが紛争地域で暮らしており、2019年の4 億2,900万人から5%増加しました。

参照:Save the Children

現在の世の中でも、世界では紛争が続き、紛争地域の中で恐怖を感じながら暮らしていかなければならない子供たちが16%以上もいます。

世界的には、例えば国連が制定する国連憲章の中で、武力の使用について否定的な言及をしています。

国連憲章第2条4.

すべての加盟国は、その国際関係において、武力による威嚇又は武力の行使を、いかなる国の領土保全又は政治的独立に対するものも、また、国際連合の目的と両立しない他のいかなる方法によるものも慎まなければならない。

参照:国際連合広報センター

しかしながら、現実における理解は難しく、今日もなお、恐怖の中で毎日を過ごしている子供たちがいます。

 

② 子供への暴力の許容

SDGs16の世界の問題の2つ目は、子どもへの暴力の許容です。

世界では、多くの国で「ドメスティック・バイオレンス(家庭内暴力)」を許容しており、家庭内でありながらも辛い日々を過ごす人たちがいます。

日本では2000年11月に「児童虐待防止法」が、2001年10月に「DV防止法」が施行されており、家庭内における配偶者や子どもに対する各種の暴力に規制が入りました(参照:日本女性学習財団児童虐待防止全国ネットワーク)。

一方、世界では全196カ国の中で、子どもへの体罰を禁止しているのは63カ国であり、65%以上の国では、いまだに家庭内の暴力にさらされている子どもたちがおり、その数は6億人以上になります。

子どもへの体罰を禁止する国の数
参照:Save the Children

家庭内の暴力は人格形成や精神状態に大きな悪影響を与えることが懸念されているために問題視されています。

 

③ 非人道的扱い

SDGs16の世界の問題の3つ目は、人の非人権的扱いです。

 

公的存在証明のない子どもたち

世界には出生届が出されておらず、公的な存在証明を持たない人や子どもたちが大勢います。

出生登録されないと、さまざまな不利益にさらされる可能性が高まります。

✔︎無出生登録で生じる問題の例

・予防接種を受けられない

・政策的支援を受けられない

・学校に入学できない

・選挙に参加できない

・裁判をおこせない

・人身売買等で国外に連れ出されても出生国が分からず戻れない

2019年のユニセフの報告によると、今でも四人に一人の5歳未満の子どもたち、総計1億6,600万人ほどが出生登録されておらず、上記のような問題にさらされています。

 

人身売買

非人道的でありながらも根付く残ってしまっているのが人身売買です。

国際的に禁止されているのにも関わらず、いまだに世界的に深刻な問題になっています。下のイラストは、2016年に、国連が発表した人身売買に関する統計データになります。

✔︎2016年における人身売買の現実

参照:Global estimates of modern slavery

現代においても、4000万人を超える人たちが人身売買により被害を受けており、強制労働、強制結婚などの悲しい時間を強いられています。

人身売買により、送り込まれた先は劣悪かつ非人道的な扱いを受けることが多く、平和・公正を享受する上で、大きな問題になっています。

 

日本におけるSDGs16の問題

「日本」というイメージのとおりですが、国際社会で想定的に比較すると、SDGs 16における日本の問題は、実のところほとんどありません。

下記は、Sustainable Development Reportという、世界各国のSDGsの取り組みをスコア化している内容の日本のSDGs 16のスコア内訳になりますが、全ての項目において「緑丸」であり、取り組みとしてハイスコアになります。

参照:Sustainable Development Report

 

 

✔︎SDGs16の日本の問題のポイント

① 世界と比較すると問題は少ない

② 平和・公正の発信

③  汚職・賄賂・不公平

① 世界と比較すると問題は少ない

SDGs16の日本の問題のポイントの1つは「世界と比較すると問題は少ない」ということす

先のとおり、SDGs 16において、日本の取り組みの各種項目は全てにおいてハイスコアであり、世界と比較すると、持続的可能に「平和・公正」を保ちやすい国家であるといえます。

 

② 平和・公正の発信

SDGs16の日本の問題のポイントの2つ目は「平和・公正の発信」です

日本は、世界に誇れる「平和・公正」を認識できる国家システムであるために、こうした環境のリーダーとして、世界に『「平和・公正な社会」を作り上げ、維持してきた方法』を積極的に発信していくことが求められると思われます。

 

③ 汚職・賄賂・不公正

SDGs16の日本の問題のポイントの3つ目は「汚職・賄賂・不公正」です

全体的にスコアの高い日本のSDGs 16の分野ですが、強いて言うなら「汚職・賄賂・不公正」が度々注目されます。

例えば、2019年、東京大学の入学式における上野名誉教授による祝辞は、現代においても見られる日本の入試制度の不公正について言及され、注目を集めました。

ご入学おめでとうございます。あなたたちは激烈な競争を勝ち抜いてこの場に来ることができました。

その選抜試験が公正なものであることをあなたたちは疑っておられないと思います。

もし不公正であれば、怒りが湧くでしょう。

が、しかし、昨年、東京医科大不正入試問題が発覚し、女子学生と浪人生に差別があることが判明しました。

参照:2019年東京大学入学式祝辞

日本は古くには女性蔑視、女性差別の習慣があり、それが現在の不公正に繋がる問題が顕在化していました。

「日本において、そんなはずは、、、」と感じるようなことでも、これが事実であり、古来の日本の認識の延長です。こうした不公正が今も蔓延っており、日本における公正ある社会実現の課題になっています。

 

SDGs16の私たちにできること

世界中で起きている様々なSDGs16の問題について、対策について紹介します。

 

SDGs16の私たちにできること

世界で起きている問題に対して、SDGs16の対策として私たちにできることの例を紹介します。

✔︎SDGs16に対して私たちにできること

① 武力による解決に賛同しない

② 戦争による解決に賛同しない

③ 戦争に抗う団体を寄付、応援する

④ クローズな環境に疑問を持ち、減らすよう心がけ、公正ある環境を目指す

なお、上記でも紹介した「上野名誉教授」の祝辞の締めが、SDGs16の実現に向けた行動への激励のように感じたので引用します。

あなたたちはがんばれば報われる、と思ってここまで来たはずです。

ですが、冒頭で不正入試に触れたとおり、がんばってもそれが公正に報われない社会があなたたちを待っています。

そしてがんばったら報われるとあなたがたが思えることそのものが、あなたがたの努力の成果ではなく、環境のおかげだったこと忘れないようにしてください。

あなたたちが今日「がんばったら報われる」と思えるのは、これまであなたたちの周囲の環境が、あなたたちを励まし、背を押し、手を持ってひきあげ、やりとげたことを評価してほめてくれたからこそです。

世の中には、がんばっても報われないひと、がんばろうにもがんばれないひと、がんばりすぎて心と体をこわしたひと...たちがいます。

がんばる前から、「しょせんおまえなんか」「どうせわたしなんて」とがんばる意欲をくじかれるひとたちもいます。

あなたたちのがんばりを、どうぞ自分が勝ち抜くためだけに使わないでください。

恵まれた環境と恵まれた能力とを、恵まれないひとびとを貶めるためにではなく、そういうひとびとを助けるために使ってください。

 

あなた方を待ち受けているのは、これまでのセオリーが当てはまらない、予測不可能な未知の世界です。

これまであなた方は正解のある知を求めてきました。

これからあなた方を待っているのは、正解のない問いに満ちた世界です。

学内に多様性がなぜ必要かと言えば、新しい価値とはシステムとシステムのあいだ、異文化が摩擦するところに生まれるからです。

・・・

未知を求めて、よその世界にも飛び出してください。異文化を怖れる必要はありません。人間が生きているところでなら、どこでも生きていけます。

あなた方には、東大ブランドがまったく通用しない世界でも、どんな環境でも、どんな世界でも、たとえ難民になってでも、生きていける知を身につけてもらいたい。

 

大学で学ぶ価値とは、すでにある知を身につけることではなく、これまで誰も見たことのない知を生み出すための知を身に付けることだと、わたしは確信しています。

参照:2019年東京大学入学式祝辞

頑張っても報われない人たちがいる現実の中、自分たちの置かれた環境の恵みを改めて感じ、ぜひ未来への行動のモチベーションに繋げてください。

 

このほか、SDGsに特化したSNSの「Sustty」のサイトでは、SDGsのSNSとして様々なSDGs5の具体例が紹介されています。

1人1人の影響は小さいかもしれませんが、みんなが取り組むと「チリも積もれば山となる」で、大きな影響になります。

ぜひ活動を参考に、世界を持続可能にしていきましょう!

https://sustty.com

また、Sustty-noteのサイトでは、SDGsに関わる様々な情報を掲載しています。宜しければぜひご参考にしてください。

>【完全ガイド】SDGsとは?初心者のためのわかりやすい入門書

 

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