SDGs1とは?貧困の問題と「貧困をなくす」ための持続可能な開発目標

Sustty編集部です。

本記事では「SDGs1」について紹介します。

SDGs1とは?

持続可能な開発目標、SDGs目標1「貧困をなくそう」は、貧しい人をなくすための目標です。

お金がないために不自由な生活を送っている人を減らします。

食べ物が手に入らず命を落としてしまう子どもがいるのは事実としてあり、世界の技術や文化が発展しているとはいえ、お金がなく苦しんでいる人は少なくありません。

貧困に陥ってしまった人々を救うために、目標1「貧困をなくそう」は掲げられました。具体的には次の2つを目指しています。

世界中で極度の貧困にある人をなくすこと

・様々な次元で貧困ラインを下回っている人の割合を半減させること

(出典:農林水産省公式サイト)

    貧困をなくすためには、国の制度やサービス、インフラを整える必要があります。

    収入が少ないだけでなく、食べるものさえないために栄養失調になって体調を崩したり、病気になっても適切な医療を受けられずに生命を落とす人も少なくありません。

    国の設備が整っていないために、自由に移動ができないケースもあるでしょう。社会的な差別がゆえに、苦しい生活を虐げられている人も多くいます。

    金銭面はもちろんですが、辛い思いをしながら生活をしている人を救うのが目標1「貧困をなくそう」の目指す未来といえます。

     

    SDGs1で問題になっていること(世界)

    SDGs1で問題になっていることはたくさんありますが、3つにまとめると次の内容になります。

    SDGs1の問題(世界)

    ①極度の貧困状態の人が約7億人

    ②貧困のための格差

    ③貧困の連鎖

    ①極度の貧困状態の人が約7億人

    SDGs1として、緊急の問題として挙げられるのが「極度の貧困」状態で生活している人がとても多くいることです。「極度の貧困」とは、具体的な定義(分類の意味)があり、次のとおりです。

    極度の貧困
    世界銀行が定めた「国際貧困ライン=1日1.9ドル未満で暮らす人たち」のことをいいます。

    おおよそ1ドルが100円前後なので、1.9ドルは日本円でいうと200円程度になります。こうしたわずかなお金で1日の「衣食住」をまかなうことを強いられている人たちが約7億人(日本の全国民の5倍ほどの人数)もいるのです。

    ②貧困のための格差

    極度の貧困がSDGs1の問題として挙げられる理由は、貧困のためにさまざまな格差が生まれるからです。

    お金がないと、

    ・食事を満足に食べることができず、成長状態・栄養状態に負の影響ができます。

    ・十分な衛生状態を保つことができず、病気にかかりやすくなります。

    ・十分な教育を受けることができず、安全、技術などの面で不利になります。

    ・病気にかかっても医者にかかることもできません。

    とても多くの問題が生じてしまいます。

    ③貧困の連鎖

    SDGsとは「持続可能な開発目標」ですが、「極度の貧困」がSDGs1の問題として挙げられる理由の1つが貧困は連鎖するからです。

    お金がないと、②で紹介したようなさまざまな格差に直面します。教育を受けられなかったり、身体の成長に不利であると、本来できていたかもしれない能力を習得できず、仕事につけなかったり、低所得の労働を強いられることがあります。すると、その親の子供も同様に貧困の中で暮らすことを強いられ、同様にさまざまな格差を受けることになってしまいます。

    これでは持続可能ではありません。負のサイクルでどんどんと状態が悪い方に向かってしまいます。

    SDGs1で問題になっていること(日本)

    SDGs1の問題に挙げられる「極度な貧困」からはほど遠いように感じる日本でも、貧困の問題や影響はあります。

    日本におけるSDGs1の問題

    ①相対的貧困

    ②技術発展遅延による生活向上の遅延

    ①相対的貧困

    上で紹介した貧困は「1日1.9ドル未満で暮らす人たち」という「生きていくために必要最低限な生活ができなあい状態」という絶対評価の内容でしたが、それと区別して、相対的に貧困を位置けた「相対的貧困」という状態もあります。

    相対的貧困
    ある地域社会の中で、大多数の人の生活レベルよりも経済的に貧しい状態の貧困。

    OECDの統計によると、2018年の日本の相対的貧困率は15.7%で、これは、日本の人口の約6人に1人は、平均よりも低い所得で生活していることを示しています。この数値は、G7の中でもアメリカに次いで2番目に高い水準です。また、OECDの加盟国全体で見ても平均より高い水準となってしまっています。

    豊かに見える日本ですが、相対的貧困率が高い原因として、

    ・非正規雇用者の数

    ・高齢者の一人暮らし

    ・離婚による一人親世帯が増加

    など社会システムや生活感が影響しているとされています。

    ②技術発展遅延による生活向上の遅延

    SDGs1の問題は、発展途上国などの問題に受け取られがちですが、日本も間接的に影響を受けます。世界は現在、グローバルに繋がる時代を迎えているため、世界の生活・技術水準の向上は日本のそれが向上するのにほぼ等しくなっています。

    一方で、絶対的貧困などの問題で、日本の全人口の約5倍もの人々が十分な生活をできず、発展することのできた生活が発展できないのであれば、それは大きな損失で、日本も間接的に発展の機会を失っています。

    そのため、SDGs1の問題は、日本と関係のない問題ではなく、日本でも影響がある内容なのです。

    SDGs1の目標とターゲット

    SDGs1の目標とターゲットは次のとおりです。

    SDGs1の目標

    貧困をなくそう

    SDGs1のターゲット

    1.1 2030年までに、現在1日1.25ドル未満で生活する人々と定義されている極度の貧困をあらゆる場所で終わらせる。
    1.2 2030年までに、各国定義によるあらゆる次元の貧困状態にある、すべての年齢の男性、女性、子どもの割合を半減させる。
    1.3 各国において最低限の基準を含む適切な社会保護制度および対策を実施し、2030年までに貧困層および脆弱層に対し十分な保護を達成する。
    1.4 2030年までに、貧困層および脆弱層をはじめ、すべての男性および女性の経済的資源に対する同等の権利、ならびに基本的サービス、オーナーシップ、および土地その他の財産、相続財産、天然資源、適切な新規術、およびマイクロファイナンスを含む金融サービスへの管理を確保する。
    1.5 2030年までに、貧困層や脆弱な立場にある人々のレジリエンスを構築し、気候変動に関連する極端な気象現象やその他の経済、社会、環境的打撃や災害に対するリスク度合いや脆弱性を軽減する。
    1.a あらゆる次元での貧困撲滅のための計画や政策を実施するべく、後発開発途上国をはじめとする開発途上国に対して適切かつ予測可能な手段を講じるため、開発協力の強化などを通じて、様々な供給源からの多大な資源の動員を確保する。
    1.b 各国、地域、および国際レベルで、貧困層やジェンダーに配慮した開発戦略に基づいた適正な政策的枠組みを設置し、貧困撲滅のための行動への投資拡大を支援する。

    ターゲットでは、絶対的貧困だけではなく、さまざまな分類の貧困を減らすための内容になります。

    自分でも取り組めそうな目標をぜひチェックしてみてください。

    SDGs1の私たちにできること

    世界で起きている貧困に関する問題に対して、SDGs1の対策として私たちにできることの例を紹介します。

    ①貧困に対する寄付をする
    ②貧困者指導のボランティアに参加する
    ③貧困情報を調べて情報発信する

    このほか、Susttyのサイトでは、SDGsのSNSとして様々なSDGs1の具体例が紹介されています。

    1人1人の影響は小さいかもしれませんが、みんなが取り組むと「チリも積もれば山となる」で、大きな影響になります。

    ぜひ活動を参考に、世界の貧困問題を解決していきましょう。

    https://sustty.com

    また、Sustty-noteのサイトでは、SDGsに関わる様々な情報を掲載しています。宜しければぜひご参考にしてください。

    >【完全ガイド】SDGsとは?初心者のためのわかりやすい入門書

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