Sustty編集部がお届けするSDGs情報です。
こんな疑問に答えます。
この記事を書く私は、サステナブルに興味がある研究開発者です。地球の持続可能性を高めるための大きな課題である気候変動に対して、どんなことが解決策になるのか、私たちには何ができるのか?模索しています。
そこで今回は気候変動の解決策に着目して、「【最新】気候変動への解決策は?温暖化の抑制に取り組む最新動向を一挙に紹介!」と題して、世界と日本で技術開発や導入が進んでいる最新動向を紹介していきたいと思います。
はじめに結論から述べると、本記事で気候変動への解決策として紹介するトピックはは以下の7つになります。
✔︎気候変動への解決策は?温暖化の抑制に取り組む最新動向5選
気候変動への解決策① クリーンエネルギー技術
気候変動への解決策② クリーンエネルギー自動車
気候変動への解決策③ カーボンリサイクル
気候変動への解決策④ AI(人工知能)
気候変動への解決策⑤ IoT(インターネット・オブ・シングス)
気候変動への解決策⑥ ロボティクス
気候変動への解決策⑦ スペース 2.0
それぞれの内容を知る前に、気候変動に関する予備知識もおさらいしたいと思います。
気候変動に関する最新の動向について知り、自分に興味があることや実践できることを考え、日々の生活での改善アクションにつなげてみてください!
目次
気候変動への解決策は?温暖化の抑制に取り組む最新動向を知る前のおさらい
気候変動とは?
気候変動とは、気温および気象パターンの長期的な変化を指します。過去と比較した際、気候が著しく変化し、気温の上昇や災害の増加、人が住める地域の水没など人間生活に対するリスクが高いため、全世界的に問題視されている地球規模の問題です。この変化は、大きく2つの要因、「自然の要因」と「人為的な要因」があり、特に問題となっているのが後者になります。
気候が変動し平均的な気温が高まっていくと、熱波や干ばつ、集中豪雨、自然火災、大型台風など様々な自然災害が増加すると予測されています。そのため、気温の上昇を緩やかにし、その影響を緩和するために、温室効果ガスの削減が求められています。また、まちづくりや人々の対応を通して、気候変動による環境の変化に適応していくことも重要となっています。
気候変動に関してはこちらの記事で紹介しています。
SDGs13「気候変動に具体的な対策を」とは?
気候変動に関連する世界的な目標としてSDGsというものがあります。これは「Sustainable Development Goals(持続可能な開発目標)」の略で、2030年までに持続可能でよりよい世界を目指す国際的な目標です。17のゴールに分かれていて偏りなく「持続性」を推進できるように作れています。詳細については次の記事で紹介します。
SDGsの13番目の目標、SDGs13は、「気候変動に具体的な対策を」のキャッチフレーズのものと、すべての人が手ごろな価格でクリーンなエネルギーを使えることを目標としています。
温室効果ガスの排出の抑制(緩和)と、地球温暖化現象が招く影響を軽減(適応)することを目指しています。詳細はこちらをご覧ください。
気候変動への解決策は?温暖化の抑制に取り組む最新動向
気候変動への解決策の最新動向① クリーンエネルギー技術
初めに気候変動への解決策の最新動向として紹介するのは、クリーンエネルギー技術です。
クリーンエネルギー
再生可能なエネルギーから、電気や熱、燃料などの有用なエネルギーを取り出すことの出来る技術。再生化のエネルギーとしては、太陽光、風力、水力、波力や潮力、熱交換や地熱、そしてバイオエネルギーが挙げられる
クリーンエネルギーは、温室効果ガスの排出を劇的に抑えながら、人々の生活に必要なエネルギーを供給することができます。気候変動に関する国際的な調査機関(IPCC)のレポートでも、クリーンエネルギーは、社会や経済の発達と、気候変動や環境への悪影響を抑制する両方が可能な技術として取り上げています。
世界におけるエネルギーの需要は今後も増加すると予測されており、このようなクリーンエネルギーの発達や普及は非常に重要な要素です。近年の太陽電池や風力発電、そして蓄電池の普及の速度は目覚ましいものがあります。下記は、世界における主なクリーンエネルギーの供給量を表していますが、年々増加していることが一目でわかると思います。
クリーンエネルギーは人類にとって宿題だった、「経済成長」と「温室効果ガスの排出」を切り離すための切り札とされ、長期的に世界で消費されるエネルギーのうち少なくとも30%以上はクリーンエネルギーによって賄われると考えられています。しかしながら、現在はまだエネルギー消費の大半は化石燃料を由来とするもので、一層の発達と普及が求められています。
気候変動への解決策の最新動向② クリーンエネルギー自動車
2番目に紹介する気候変動への解決策は、クリーンエネルギー自動車です。
クリーンエネルギー自動車
クリーンエネルギー自動車とは、走行時の温室効果ガスの排出が少ない、または全く出ない、気候変動の対策に有効な自動車
参考:次世代自動車振興センター
クリーンエネルギー自動車の種類としては、主に電気自動車(EV)、プラグインハイブリッド自動車(PHV)、燃料電池自動車(FCV)などがあります。
気候変動の抑制に向けて、環境性能に優れ、さらに災害時にも非常用電源として活用可能な車が求められています。そのためクリーンエネルギー自動車の需要を促進させ車両価格の低減を促すことを目的に国からの補助金が導入されています。
参考:経済産業省
クリーンエネルギー自動車の中でも、世界的に本命とされているのが電気自動車です。電気自動車は、外部電源から車載のバッテリーに充電した電気を用いて、電動モーターを動力源として走行するクルマです。電気自動車のメリットとして、クリーンエネルギーの組み合わせが容易で走行に要する温室効果ガスを低減できる、安価な夜間電力を利用して自宅で充電でき、ランニングコストはガソリン自動車と比較して低い、ガソリンをエンジンで燃焼させないため、走行中とても静かなどが挙げられます。
電気自動車に関しては下記の記事で紹介してますので、是非ご覧ください。
気候変動への解決策の最新動向③ カーボンリサイクル
3番目に紹介する気候変動への解決策は、カーボンリサイクルです。
カーボンリサイクル
カーボンリサイクルとは、温室効果ガスをCO2を資源として考え、分離・回収してさまざまな製品や燃料に再利用することで、CO2の排出を抑制する取り組み
参考:資源エネルギー庁
。CO2を資源として有効活用するカーボンリサイクルは、化学、セメント、機械、エンジニアリング、化石燃料、バイオなどさまざまな事業分野で取り組みが可能で、温室効果ガスを減らしながら社会に必要な製品を製造していく手法として大きな注目を浴びています。
これまでの主なカーボンリサイクルとして、CO2を吸収してつくったコンクリート製品や構造物などの鉱物、CO2で培養する藻類を原料としたバイオ燃料などの燃料、人工光合成によってつくるプラスチック原料などの化学品などが挙げられます。
また、カーボンリサイクルを実現するために重要なCO2の分離・回収に関する技術についても開発が進んでおり、化学用途向けなどで、発電所から高濃度のCO2を分離回収する設備がすでに実証段階に入っています。
気候変動への解決策の最新動向④ 人工知能(AI)
4番目に紹介する気候変動への解決策は、人工知能(AI)です。
人工知能(AI)
人工知能(AI)とは、学習・推論・判断など人間のふるまいの一部をコンピューターを用いて人工的に実現したものです。
AIは経験から学び、新たな入力に順応することで、人間が行うようにタスクを実行することを目指しています。また演算処理を自動化することで膨大な量のデータを分析し、パターンの解析や予測を行うことができます。
例えば、センシングや言語処理、演算、ものごとの判断や、配置換え、そしてものを操ることなどの操作が一例として挙げられます。AIを搭載した機械やソフトウエアは、人々の干渉に対してより独立的にふるまい、これまでのコンピューターが行ってきたよりもはるかに複雑な事柄に対応していきます。
AIは現在最も重要な開発分野とされており、世界で盛んに開発が行われています。気候変動の抑制に貢献する要素としては、以下のようなものが挙げられます。
- 温室効果ガスや気候変動に起因する災害の特定やモニタリング
- 自然災害のリスクの予測
- 気候や環境の変化を分析
- クリーンエネルギーやものの使用を効率化
- 人々の啓蒙やアドバイス
一例として、AIを用いて廃棄物を効率的に処理してリサイクルやリユースを促進することで、不必要なものの消費と気候変動を抑えようとする試みもあります。スマートごみ箱と呼ばれる次世代のごみ箱は、AIが搭載されたセンサーがごみの量を把握し収集センターに送信して、最適な収集処理方法を提案してきます。また世界では、ごみ箱自体がセンサーを活用して、ごみの内容を認識して、リサイクルすべきか廃棄すべきかの判断をする試みがなされています。
参考:Bigbelly
他にも、AIが気候変動に与える影響はこちらの記事で扱っています。
気候変動への解決策の最新動向⑤ IoT(インターネット・オブ・シングス)
5番目に紹介する気候変動への解決策は、IoT(インターネット・オブ・シングス)です。
IoT(インターネット・オブ・シングス)
IoTとは、世界的な情報インフラの中で、物理的にもしくは仮想的に、物をつなぐことで可能とするサービスです。機械ーもの間の通信をM2M、機械⇔ひと間のコミュニケーションをM2Pと呼び区別される。IoTが発達することで、高速にデータをつくり、処理し、分析することができるようになり、データの量も著しく増加する。
スマートフォンを初めとするモバイル通信機器の登場により、様々なところでデータを取得し送信することでできるようになりました。このようなインターネットへの接続は他のものにも広がっていくとされます。その結果、社会における人やもの、情報の流れを効率よくし、気候変動に対してよい影響を与えていく可能性があります。
例えば、先進的な取り組みが進むドバイでは、スマートサステナブルシティと称してIoTにより都市の効率化が行われています。 Silver Spring Networks と名のもとにIoTのネットワークを拡張がなされ、例えば、20万世帯とスマート電気メーターがインターネットに接続され、電力の消費を効率化する試みがなされています。
最近登場した新規通信世代5Gにより、今後も通信速度は飛躍的に向上していくと考えられます。こうした複数の技術領域が上手く連携していくことで、木行動に対する効果的な取り組みがなされていきます。
気候変動への解決策の最新動向⑥ ロボティクス
6番目に紹介する気候変動への解決策は、ロボティクスです。
ロボティクス
ロボティクスとはプログラミングにより一連のアクションを自動的にもしくは半自動的に行うことができる技術。センサーやアクチュエーターを通して物理的に物体と相互作用することができる。
ロボティクスによる具体的な気候変動を抑える効果として例えば以下のようなことが挙げられます。
- 温室効果ガスやそのほかの有害なガスの放出を抑える
- 生産プロセスを効率よくしてエネルギーの消費を抑える
- ロボット自体の正確性を改善し、労働に必要な機器のサイズを抑える
- 原料を効果的に使い、物の廃棄量を押させる
また、ロボットは従来は人が届かないところに移動し状況をモニターすることにも使えます。例えば、サンゴ礁の状況や熱帯雨林の詳細な分布を把握することで、気候モデルを正確にし、温暖化の影響を把握することにもつながります。たとえば、イタリアの研究チームが開発した魚型ロボットVenus Swarmは、これまで観測が難しかった広域な海域での分析を可能としていくとされています。
参考:Eni
気候変動への解決策の最新動向⑦ スペース2.0
最後に取り上げる気候変動への解決策は、スペース2.0です。
スペース2.0
スペース2.0とは、新しい時代の宇宙に関する開発や活用の総称になります。今後数十年の宇宙関連技術の活用や宇宙探査、旅行、定住のための計画。
宇宙開発は、情報通信分野の次に来るフロンティア分野という位置づけで、NASAやESAなどの国営研究機関に加えて、国内外のベンチャーの開発が活発になっています。
宇宙に関する技術の活用例として、人工衛星はこれまで気候変動による地球の変化をしめす有効な情報をもたらしてきました。例えば、変化する温度や上昇する海水面、氷や永久凍土の減少に関するデータ等は、地球が今どのような状況かを理解するのに役立ち、また今後の気象条件を予測するのにつながっていきます。
こうした測定技術は近年も進化しており、例えばNASAは、最新の技術を搭載した人工衛星にてATLASというレーザー技術を用いることで、氷の高さの変化をミリメーターの正確性で観測しています。また、どこを観測するかに関しても数十センチの正確性で調節でき、氷の層の厚さや高さを正確に観測して気候変動の影響を分析することができます。
人工衛星を駆使した技術は、他にも土地の変化や、農業の観測、そして大気中の雲の挙動を分析することにも応用できます。
参考:NASA
気候変動への解決策は?温暖化の抑制に取り組む最新動向のまとめ
気候変動への解決策は?温暖化の抑制に取り組む最新動向のまとめ
いかがでしたでしょうか?世界や日本では、たくさんの人が気候変動を解決するため日夜技術革新や事業開発に励んでいます。少し心強く感じられたのではないでしょうか?
改めて、今回紹介した気候変動の解決策は以下の通りです。
気候変動への解決策① クリーンエネルギー技術
気候変動への解決策② クリーンエネルギー自動車
気候変動への解決策③ カーボンリサイクル
気候変動への解決策④ AI(人工知能)
気候変動への解決策⑤ IoT(インターネット・オブ・シングス)
気候変動への解決策⑥ ロボティクス
気候変動への解決策⑦ スペース 2.0
気候変動への解決策のまとめを踏まえ私達にできること
最後に、気候変動への解決策のまとめも踏まえて、改めて私たち一人ひとりにできることを改めて紹介します。私達が日常でできることもたくさんあります。新しい技術の革新と私達の日々の実践の両輪で、気候変動が解決されていくのです。
✔︎気候変動に対して私たちにできること
① 日ごろ使っているエネルギー(とお金)を節約してみる
② 温室効果ガスの排出が少ない製品やサービスを使ってみる
③ エネルギーや温室効果ガスを有効活用する新しい技術を知って試してみる
1人1人の影響は小さいかもしれませんが、みんなが取り組むと「チリも積もれば山となる」で、大きな影響になります。
ぜひこれらの活動を参考に、世界を持続可能にしていきましょう!
Sustty-noteのサイトでは、SDGsに関わる様々な情報を掲載しています。宜しければぜひご参考にしてください。